鬼板

鬼板（おにいた）

鬼板は、分野によって意味が異なる言葉です。主に以下の3つの意味があります。

1. 建築における鬼板

建築分野においては、鬼板は鬼瓦の別名として用いられます。具体的には、箱棟（はこむね）と呼ばれる屋根の Ridge の両端に取り付けられる木製の棟飾りを指し、鬼瓦の代替として使用されます。鬼瓦は鬼の顔を模した瓦ですが、鬼板には鬼の顔の意匠はありません。シンプルな形状の板状の装飾が用いられます。

箱棟について

箱棟は、日本建築の屋根の Ridge を構成する要素の一つで、文字通り箱状の形状をしています。屋根の Ridge は、屋根面が交わる最も高い部分であり、雨水の侵入を防ぐ重要な役割を果たします。箱棟は、この Ridge を覆い、保護するとともに、建物の外観を飾る役割も担っています。

2. 鉱物としての鬼板

鉱物としての鬼板は、褐鉄鉱（かってっこう）の一種で、板状になったものを指します。褐鉄鉱は、水酸化鉄を主成分とする鉱物で、様々な色合いのものがあります。鬼板は、主に愛知県瀬戸市周辺で産出され、顔料などに用いられてきました。瀬戸市は、古くから陶磁器の産地として知られており、鬼板は陶磁器の着色顔料として利用されてきたと考えられます。

褐鉄鉱について

褐鉄鉱は、鉄鉱石の一種であり、地球上に広く分布しています。錆（さび）の主成分でもあり、水に触れると赤褐色に変色します。顔料以外にも、鉄の原料としても利用されます。

3. 食品としての鬼板

食品としての鬼板は、愛媛県伊予地方の名物である「鬼板せんべい」を指します。鬼板せんべいは、薄くて硬い焼き菓子で、独特の風味があります。伊予地方は、温暖な気候と豊かな自然に恵まれており、鬼板せんべいは、その土地の恵みを生かしたお菓子として、長年親しまれてきました。

鬼板せんべいの特徴

鬼板せんべいは、小麦粉や砂糖などを原料として作られ、薄く焼き上げられています。そのため、パリッとした食感が特徴です。また、独特の風味があり、お茶請けとして、またお土産としても人気があります。

このように、鬼板は、建築、鉱物、食品といった異なる分野で、それぞれ異なる意味を持つ言葉です。それぞれの分野における鬼板の知識を持つことで、より深く理解することができます。

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