魂 (宮村優子のアルバム)

『魂』（タマシイ）

声優やタレントとして多方面で活躍する宮村優子が、1998年3月21日にビクターエンタテインメントよりリリースした通算4枚目の音楽アルバムです。その個性的なタイトルと内容は、多くの音楽ファンの注目を集めました。

アルバムの特徴

本作は、様々な分野で活躍する個性豊かなクリエイターたちが楽曲を提供している点が大きな特徴です。

CDジャケットには、力強い毛筆で「魂」という題字が記されていますが、これは著名な空手家であるフランシスコ・フィリォが揮毫したものです。音楽作品でありながら、ジャケットに格闘家の文字が使われているという点も、本作のユニークさを際立たせています。

また、収録曲の中には、後に楽曲提供者自身の手によって再構築された楽曲も含まれています。特に平沢進が提供した2曲は、彼の代表的なアルバムでセルフカバーされており、両アーティストのファンにとって興味深い繋がりとなっています。

収録曲と提供者

本アルバムには以下の楽曲が収録されています。各楽曲には、日本の音楽シーンを彩る錚々たる顔ぶれが関わっています。

Mother
作詞・作曲・編曲：平沢進
インダストリアルやテクノポップの分野で知られる音楽家、平沢進による楽曲。後に平沢自身がアルバム『救済の技法』でセルフカバーを行っています。

あーあ。
作詞：みやむらゆうこ
作曲：新居昭乃
編曲：保刈久明
透明感あふれるサウンドで知られるシンガーソングライター新居昭乃が作曲、保刈久明が編曲を担当。作詞は宮村優子自身が手掛けています。

あなたは神を信じますか
作詞：みやむらゆうこ
作曲・編曲：タケカワユキヒデ
ゴダイゴのボーカリストとして知られるタケカワユキヒデが作曲と編曲を担当。この楽曲も宮村優子自身が作詞しています。

愛なんて
作詞：及川眠子
作曲：田中公平
編曲：井上日徳
アニメやゲーム音楽の世界で数々の名曲を生み出してきた作曲家・田中公平と、ヒットメーカーとして知られる作詞家・及川眠子のコンビによる楽曲。編曲は井上日徳が担当しています。

MOON
作詞・作曲・編曲：平沢進
「Mother」と同様に平沢進が手掛けた楽曲。こちらも後に平沢のアルバム『救済の技法』にて、「MOON TIME」とタイトルを改めてセルフカバーされています。

タマシー
作詞：大槻ケンヂ
作曲・編曲：野村義男
ロックバンド・筋肉少女帯のボーカルとして個性的な世界観を持つ大槻ケンヂが作詞を担当。作曲と編曲はギタリストの野村義男が手掛けています。

このように、『魂』は様々なジャンルのクリエイターが集結し、宮村優子のアーティストとしての多様な魅力を引き出したアルバムと言えるでしょう。提供楽曲が後にセルフカバーされたり、異分野の著名人がジャケットデザインに関わったりと、単なる声優のアルバムにとどまらない、実験的で意欲的な作品として位置づけられます。

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