鮑旭

鮑 旭（ほう きょく）

鮑旭は、中国の小説『水滸伝』に登場するキャラクターで、四大奇書の一つとして知られています。彼は梁山泊で第六十位の好漢であり、伝説の星「地暴星」の生まれ変わりです。そのニックネーム「喪門神」は、民間伝承に登場する古の悪神を指し、彼の残虐な性格にぴったりと合致しています。彼は非常に凶悪で醜い容貌を持ち、大きい丸顔が特徴です。鮑旭は、殺人を好む性格を持っており、特に李逵との相性が良いです。二人はすぐに意気投合し、鮑旭は李逵の副官として、彼を抑える役割を果たしました。

鮑旭が使用する武器は「闊剣」や「大闊板刀」と呼ばれる幅広の剣で、彼は徒歩でありながら馬上の敵を討つ技術を持っています。彼と李逵、項充、李袞の四人が戦場に現れると、たちまち敵兵を追い散らす力強い存在となりました。

生涯の物語

鮑旭は、枯樹山を拠点に強盗を行なっていた不良で、ある日山塞に訪れた焦挺と李逵と出会います。彼らはすぐに意気投合し、官軍の一隊が枯樹山の麓を通りかかると、それを討伐しに行くことを決心しました。官軍を蹴散らし、残された檻車を覗くと、中には梁山泊の宣贊と郝思文が捕らわれていたのです。彼らは凌州城攻撃中に捕らえられ、鮑旭たちは偶然にも彼らを救い出しました。

その後、彼らは枯樹山の手勢を率いて凌州城に攻め込み、城内にはほぼ魏定国しか残されていない状態でした。鮑旭たちは北門を奪い、略奪や放火を繰り広げ、城内を混乱に陥れます。魏定国は逃げ回った挙句、最終的には投降し、この功績を持って鮑旭は梁山泊に合流しました。

百八星が集結する中、彼は歩兵軍の将校に任命され、戦場では李逵や自身の仲間たちと共に敵を斬り捨てていきます。この猛者たちは宋国の英雄たち、特に林冲の騎兵軍にひけをとらない活躍を見せました。

鮑旭の最後の戦いは杭州城で、ここでは騎兵ばかりに頼る宋江の戦術に対し疑問を持った彼は、李逵たちと共に方臘軍の猛将・石宝を縛り取る計画を立てました。彼らは北門で石宝と激しい戦闘を繰り広げることになりますが、敵を撃退するどころか反攻も受け、結果的に鮑旭は孤立してしまいます。城門付近に隠れていた石宝に真っ二つにされてしまい、鮑旭は戦死します。

彼の死に際して、親友の李逵は涙を流し、鮑旭の戦士としての生涯が彼にとってどれほど大切であったかを示しました。鮑旭の物語は、友情や勇気の象徴として、多くの読者に感動を与え続けています。彼の活躍を辿ることで、人々はその下に隠れた人間の成長や仲間への強い情熱を感じることができるでしょう。

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