鮫島弘子

鮫島 弘子（さめじま ひろこ）

鮫島弘子は日本出身で現在エチオピアに活動の拠点を置く起業家兼デザイナーです。本業は株式会社andu ametのCEOとして、アフリカの伝統的な素材を活用したサステナブルなレザー製品の製造・販売を行っています。彼女の活動は国際的にも評価され、各種メディアに取り上げられています。

人物背景と経歴

東京都渋谷区で育った鮫島は、幼少期から祖母の利他の精神に触れ、社会に対する考え方に大きな影響を受けました。彼女の少年時代はイラン・イラク戦争の真っ只中に過ごしたため、様々な価値観とライフスタイルに触れる経験がありました。子どものころから芸術に興味を持ち、特に絵やもの作りを得意としていました。大学では現代美術を専攻し、その後化粧品メーカーにデザイナーとして入社しました。

化粧品業界では、自身の担当する商品の企画にやりがいを感じていたものの、次第に短期間で大量生産されるトレンドに疑問を抱くようになりました。彼女は新しい可能性を求め、2002年にボランティア活動を通じてアフリカに渡ります。エチオピアでのファッションショーの企画や、ガーナでのフェアトレードプロジェクトの立ち上げなど多岐にわたるプロジェクトに参加しました。

エチオピアでの経験を通じて、世界的に評価されるエチオピアシープスキンや卓越した職人に出会い、高品質な素材が適切に活かされていない現状が記憶に残ります。帰国後は外資系ラグジュアリーブランドでマーケティングやクリエイティブを担当し、2012年には自身の会社を設立。

株式会社andu ametの設立

鮫島は、エチオピアシープスキンを基にしたラグジュアリーなレザー製品をデザインし製造する株式会社andu ametを2012年に立ち上げます。彼女の目標は、サステナビリティを重視した製品開発を行い、持続可能なビジネスモデルを確立することです。2015年には日本企業として3つ目の現地法人をエチオピアに設立しました。

彼女の事業は、原材料の調達から生産、販売に至るまで全体において環境への配慮がなされています。その努力は評価され、さまざまな賞を受賞しました。2023年には、株式会社andu ametが「B Corporation™」認証を取得し、日本のフェアトレードブランドとしても初の快挙を達成しました。

社会的活動

鮫島は現在もエチオピアを拠点にしながら、世界に向けてアフリカの魅力や可能性を発信しています。彼女の活動は、デザインの領域にとどまらず、アフリカの経済発展、職人文化の保護、さらには環境問題への貢献に広がっています。具体的には、持続可能なものづくりを通じ、地域社会と共生しながら新たなビジネスモデルを提示しています。

さらに、彼女は数々のメディアにも取り上げられ、『カンブリア宮殿』や『NHK World』などに出演しており、特に女性の起業家精神やアフリカのビジネスチャンスについて語ることが多いです。

受賞歴

鮫島は数々の受賞歴がある包括的なビジネスリーダーでもあります。代表的な受賞には、日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー、APEC女性若手イノベーター賞、カルティエのChange makers of the yearなどが含まれます。これらの受賞は、彼女のビジョンがどれほど高く評価されているかを示しています。

親族との関連

彼女は著名な実業家である渋沢栄一の高祖父を持ち、その家系には著名な作家や財団理事がいます。鮫島はそのような背景を抱えつつ、独自の道を歩み続けています。自身の成功も他者のために尽くす姿勢に基づいているのです。

結論

鮫島弘子の活動は、デザインとビジネスの枠を超え、持続可能な未来に向けた新たな道筋を提供しています。彼女の努力とビジョンは、多くの人々に刺激を与え、アフリカと日本の架け橋としての役割を果たしています。

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