鮫島浩 (ジャーナリスト)

鮫島浩のプロフィールと業績

鮫島浩（さめじま ひろし）は、1971年に生まれた日本のジャーナリストであり、かつて朝日新聞社の記者として活躍していました。彼は特別報道部デスクとして2013年度に日本新聞協会賞を受賞しました。2021年に同社を退職し、ウェブメディア「SAMEJIMA TIMES」を創設しました。

来歴と背景

鮫島は兵庫県神戸市で母子家庭に育ち、小学6年生まで尼崎市で生活しました。彼は香川県立高松高等学校に奨学金を得て進学し、そこでは後に政治家となる小川淳也と同級生でした。進学の際、小川の勧めを受け、東京大学を断念し、1990年に京都大学法学部に入学しました。大学時代には家賃1万円というトイレも水道もない下宿生活を送りました。

就職活動では複数の内定を受けながら、最終的に朝日新聞社を選び、1994年に入社しました。入社当初は茨城県だからつくば支局での勤務を開始し、その後水戸や浦和の各支局で経験を積みました。1999年には政治部に異動し、そこで様々な政治家を担当することになりました。

特別報道部デスクとしての活動

鮫島は2012年に特別報道部のデスクに就任し、福島第一原子力発電所事故に関する調査報道を主導しました。「被曝隠し」の問題を追及し、2013年には「手抜き除染横行」の報道を行うなど、注目を浴びました。その取材活動は、日本新聞協会賞を受賞するなど、高く評価されています。

吉田調書報道の影響

2014年にはいわゆる吉田調書を入手し、これに基づいた報道を行いましたが、その後の展開は波紋を呼びました。当初の第一報に対する説明不足が指摘され、鮫島はフォローアップ記事を提案したものの、社内での合意形成が難航しました。この報道が引き起こした社内外での批判は、最終的に彼の懲戒処分へとつながりました。

その後、彼は2016年に記者職に復帰し、編集局GLOBE編集部で活動。2018年には言論サイト「WEBRONZA」の再建にも関与し、2019年にその名称が変わりました。

フリーランスへの道

2021年、鮫島は早期退職を決意し、ウェブメディア「SAMEJIMA TIMES」を設立しました。その中で、政治や政局に関するコラムを執筆し、多くの読者にアプローチしています。また、2022年には著書『朝日新聞政治部』を出版し、瞬く間に話題を呼びました。この本は3万部以上の売上を記録し、彼の名声を広めることに成功しました。

さらに、選挙活動においても積極的に意見を表明し、政治報道への反省も述べている鮫島は、政治ジャーナリズムにおける重要な存在として認識されています。

出版物

鮫島は著作も数多く持ち、最近には『政治はケンカだ! 明石市長の12年』や政治入門書も発表しています。これらの作品は、現代の政治の理解を促すと同時に、彼自身の経験を元にした貴重な知見を提供しています。

鮫島浩は、ジャーナリストとしてのキャリアを通じて、社会に対する鋭い視点と洞察を持ち続け、自身の信念を持って報道を行っています。

もう一度検索