鯨統一郎

鯨統一郎

鯨統一郎（くじら とういちろう）は、日本の小説家であり、推理作家、SF作家として知られています。また、覆面作家としても活動しています。そのペンネームは、かつて存在した小説家「鯱城一郎（しゃち・じょういちろう）」に由来します。國學院大學文学部国文学科を卒業。

概要

デビュー作である『邪馬台国はどこですか?』は、1996年の第3回創元推理短編賞の最終選考に残りましたが、受賞には至りませんでした。しかし、1998年に文庫書き下ろしという形で刊行され、異例のデビューを飾りました。同書は、1999年の『このミステリーがすごい!』（宝島社）で第8位に選ばれるなど、高い評価を受けています。

鯨統一郎作品の特徴は、史実や伝説、物語などに基づいて大胆な新説や解釈を展開する点にあります。論理性よりも意外性や規則性を重視した、独特な作風が魅力です。また、それぞれの作品がどこかで繋がっていたり、同じ人物が別の作品に登場するなど、ハイパーリンクのような手法が取り入れられているのも特徴の一つです。

特に『邪馬台国はどこですか？』は、書籍自体が作中に登場したり、内容の一部が引用されるなど、共通のガジェットとして積極的に用いられています。

代表作の一つである「タイムスリップシリーズ」は、2004年よりNHK-FMでラジオドラマが毎年放送されています。ただし、原作に沿った作品は2004年放送の『タイムスリップ明治維新』のみで、それ以降のシリーズは番組オリジナルの作品となり、鯨統一郎は「原案」として参加しています。

2015年には、『冷たい太陽』で第15回本格ミステリ大賞候補となりました。

主なシリーズ作品

早乙女静香シリーズ
とんち探偵一休さんシリーズ
週刊ワードシリーズ
サイコセラピスト探偵波田煌子シリーズ
桜川東子シリーズ
タイムスリップシリーズ
間暮警部の事件簿シリーズ
湾田乱人シリーズ
作家六波羅一輝の推理シリーズ
堀アンナの事件簿
タンタンの事件ファイル
殺人紀行シリーズ
歴史バトラーつばさ
喫茶〈ひとつぶの涙〉シリーズ
ハウスワーク代行・亜美の日記
女子大生つぐみ
歴史はバーで作られるシリーズ

メディアミックス

テレビドラマ

土曜ワイド劇場
ミステリー作家六波羅一輝の推理
白骨の語り部（2010年）
京都・陰陽師の殺人（2012年）
歴史カクテル
ストーンヘンジの不思議（2014年）

ラジオドラマ

青春アドベンチャー
* タイムスリップ明治維新（2004年）


鯨統一郎の作品は、ミステリー、SF、時代小説など、幅広いジャンルに及び、読者を飽きさせない魅力にあふれています。大胆な発想と緻密な構成が織りなす、独特な世界観をぜひお楽しみください。

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