鴨田勝雄

鴨田勝雄の野球人生

鴨田勝雄（かもた かつお）は、1939年8月27日に愛媛県新居浜市で生まれた。野球選手としてだけでなく、指導者としても日本の野球界に多大な影響を与えた人物であり、そのキャリアは新居浜商業や法政大学の監督としての役割を中心に展開された。

学生時代からのスタート

新居浜東高を卒業後、鴨田は1958年に法政大学の夜間部に進学した。大学時代は主に捕手としてプレーし、技術を磨いた。彼の野球に対する情熱と対人能力は、この時期に培われたと言われている。1962年に大学を卒業すると、故郷に戻り、新居浜商業の監督に就任した。

新居浜商業での成功

鴨田は1975年に新居浜商業を率い、北四国大会を勝ち進む素晴らしいチームを作り上げた。この年、チームは夏の選手権大会に初出場し、惜しくも決勝戦で習志野高校にサヨナラ負けを喫するも、見事な準優勝を収めた。この経験は新居浜商業の野球部にとって、画期的な出来事となった。

法政大学監督としての功績

1978年からは母校である法政大学の監督に就任。1980年には東京六大学リーグで初優勝を果たし、以後も数々の栄光を手にした。特に1982年には田中富生、木戸克彦という選手とともに春のリーグ戦で全勝を記録し、その際出場した全日本大学選手権でも見事に優勝を果たした。この年、法政大学は日本の大学野球の頂点に立ち、鴨田の指導力が発揮された。

連続して全日本大学選手権を1984年と1985年に制し、法政大学が最盛期を迎える中で、鴨田は156勝を挙げ、歴代監督として最多勝利数を誇ることになった。また、東京六大学リーグで全勝優勝を達成した唯一の監督となるなど、その名は広く知られるようになった。

プロ選手の輩出と国際経験

監督としての活動により、鴨田は新居浜商業や法政大学を通じて31名のプロ野球選手を輩出した。彼の指導下で、多くの選手がプロの舞台で活躍し、彼の教えを受けた選手たちはその後の野球界の中で核となる人材と成長した。また、日米大学野球選手権大会では日本代表監督としての役割も果たし、1984年にはロサンゼルスオリンピック野球日本代表のコーチを務めるなど、国際舞台での経験も豊かだった。

日本IBM野洲での挑戦

1986年に法政大学の監督職を竹内昭文に引き継ぐと、鴨田は1987年から日本IBM野洲の監督に転身。彼の指導の下、同社チームは都市対抗野球大会への初出場を果たす。残念ながら初戦で敗退するが、その後も1990年に出場を果たすなど、チームの発展を促した。

最後の日々

日本IBM監督を退任後も、鴨田は滋賀県の中主町に住んでいたが、2002年10月27日に心不全により享年63でこの世を去った。彼の野球に対する情熱と教育者としての姿勢は、今でも多くのファンや選手たちによって語り継がれ、その足跡は色あせることはない。

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