鵜沼城

鵜沼城の歴史とその後の変遷

鵜沼城（うぬまじょう）は、岐阜県各務原市にあった歴史的な城で、室町時代から安土桃山時代にかけて活躍しました。この城は、木曽川の北岸に位置する天然の岩山である城山に築かれています。1472年に鵜沼城の築城が行われたのは、大沢利治という武将によります。彼は土岐氏や斎藤氏に仕え、当地での権力を確立していきました。

戦国時代における鵜沼城

戦国時代中期の1564年、尾張国の織田信長が木下藤吉郎（後の豊臣秀吉）に鵜沼城と伊木山城の攻略を命じました。城の主である大沢治郎左衛門は強い抵抗を示しましたが、藤吉郎の調略によって降伏してしまいます。信長は彼の変心を恐れ、治郎左衛門を殺害しようとしましたが、藤吉郎の計らいで命を救われたと言われています。

その後、鵜沼城は犬山城の主である池田恒興に与えられ、恒興が異動した後は中川定成が城を支配しました。1584年、秀吉軍の池田恒興が、徳川方の中川定成が不在であることを利用して犬山城を攻略しました。この際、鵜沼城はその足掛かりとして利用されましたが、結果的にこの戦闘を経て廃城となりました。

廃城から現代まで

現在の鵜沼城址は名鉄線犬山橋の近くに位置する小高い岩山（城山）に存在します。廃城後、この地域は共用の森林として管理されていましたが、昭和5年頃には個人の別荘が建設され、その後料理旅館が借り受けて使用されました。戦後、アメリカ軍によって接収され、軍専用のクラブとなりました。その後、城山荘という旅館兼レストランとして運営されましたが、1972年の火災をきっかけに廃墟が生じました。

2002年には、地元住民からの要望に応じて廃墟は撤去され、城址は各務原市の所有地となりました。公園化に向けた整備計画が進行中であり、約9100万円の予算案も市議会に提案されました。市は、この歴史公園を2023年度中に完成させたいと目指しています。

残る遺跡とその歴史

昭和50年代初頭までには、国道の西側に堀と土塁が残っていたものの、開発に伴いほとんどが失われてしまいました。現在、城山の頂上には大沢一族の碑が存在していると言われています。また、 localsは鵜沼城にまつわる歴史を次世代に伝えるために、その価値を再認識する活動を進めています。城の跡地を訪れる人が増えることを期待し、地域の文化遺産として大切に守られています。

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