鶴岡裕太

鶴岡 裕太

日本の起業家、鶴岡裕太（つるおか ゆうた）は、1989年12月28日に大分県で生まれました。手軽にオンラインストアを開設できるサービスとして知られる「BASE」の創業者であり、同サービスを提供するBASE株式会社を2012年に立ち上げました。

彼の事業は、特に個人や中小規模の事業者が直面する決済手続きの煩雑さを解消することに重点を置いています。その功績が認められ、2016年には経済誌Forbesが選出する「アジアを代表する30歳未満」（小売業・Eコマース部門）に名を連ねています。

経歴

鶴岡氏は大分県立情報科学高等学校を卒業後、東京工科大学に進学します。大学在学中に、クラウドファンディングプラットフォームを手がけるハイパーインターネッツ社（現在の株式会社CAMPFIRE）でエンジニアインターンとして経験を積みました。このインターンシップを通じて、連続起業家である家入一真氏と出会い、家入氏が主導する複数の新規サービスの立ち上げに、バックエンドプログラミングやディレクションといった立場で関わります。この時の経験が、後に自身の会社を設立する上で重要な糧となりました。特に、この時期にネットショップ作成サービス「BASE」のプロジェクトが開始され、彼の起業家としてのキャリアの基盤となります。

「BASE」は2012年11月に正式にサービスを開始しました。当初、2013年4月までに1万店舗の開設を目標としていましたが、その手軽さが受け入れられ、わずか1ヶ月でこの目標を達成するという目覚ましいスタートを切ります。サービスの好調な滑り出しを受け、2012年12月11日にはBASE株式会社として法人化されました。同社は、サイバーエージェント、メルカリ、SBIホールディングス、グローバル・ブレインなどの主要な企業やファンドから出資を受けており、その事業拡大を支えています。

BASEの特長

ネットショップ作成サービス「BASE」の最大の特長は、出店の容易さと運営コストの低さです。初期費用や月額の固定費用がかからず、インターネット環境さえあれば、誰でも短時間で自分のオンラインショップを開設し、運営を開始できます。この手軽さが、全国各地の飲食店や農家、中小メーカーなど、多様な事業者の支持を集め、導入が急速に進みました。サービス開始から約10年で、累計の出店数は170万店を突破しています。なお、同社の運営するショッピングアプリの名称は、近年「BASE」から「Pay ID」に変更されています。

起業のエピソード

鶴岡氏がBASEを立ち上げる直接的なきっかけとなったのは、故郷大分で洋品店を営んでいた母親から「インターネットで自分の店を持ちたい」という相談を受けたことでした。彼は不登校だった中学時代にインターネットの世界に魅了され、その可能性を強く感じていました。大学でインターンとして活動する中で、母親のようなインターネットにそれほど馴染みのない世代でも、オンラインで商売をすることに関心があることを知り、「誰もが簡単に自分のお店を持てる」というコンセプトのサービスがあれば、多くの人の役に立てるのではないかと考え、BASEの設立を決意しました。

その他の活動

鶴岡氏は起業家として、様々なメディアやイベントに登場しています。Forbes JAPAN、Business Insider Japan、日経クロストレンドなどの経済・ビジネス系メディアの取材に応じ、自身の経営哲学やサービスへの思いを語っています。また、IVSやU-25 kansai pitch contestなどのカンファレンスでは、トークセッションに参加し、Eコマースの現状や若手起業家へのアドバイスなどを発信しています。2022年4月には、テレビ東京の経済番組「日経スペシャル カンブリア宮殿」にBASEの社長として出演し、その事業が広く紹介されました。

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