鷲尾須美は勇者である

鷲尾須美は勇者である

『鷲尾須美は勇者である』は、タカヒロ原作、BUNBUNイラストによる日本のイラストノベルであり、『勇者であるシリーズ』の第1作です。本作は、可愛らしい少女たちの日常と、それを守るために勇者として戦う過酷な運命とのコントラストが特徴です。

概要

本作は「タカヒロIVプロジェクト」の第3弾として、『電撃G's magazine』で連載が開始されました。略称は「わすゆ」。シリーズ第4弾である『結城友奈は勇者である』の2年前の物語にあたります。

作品のテーマは「勇気」。物語は、各話の冒頭に挿入される「勇者御記」によって、単なる日常譚ではない、どこか不穏な雰囲気を漂わせます。物語の舞台は香川県大橋市がモデルとなっています。

あらすじ

神世紀298年、鷲尾須美、乃木園子、三ノ輪銀は、神樹館に通う小学6年生。ある日、3人は異変に遭遇し、神樹の力を得て勇者となります。街を破壊しようとするバーテックスとの戦いに身を投じることになった3人は、互いに支え合い、友情を育みながら困難に立ち向かいます。

初戦を乗り越えた3人は、園子をリーダーとして、より強固な絆で結ばれていきます。しかし、束の間の平穏は破られ、再びバーテックスが襲来。激しい戦いの末、銀は命を落としてしまいます。銀の死を乗り越え、須美と園子は新たな力「精霊」と「満開」を得て戦い続けます。

しかし、「満開」は強大な力と引き換えに、身体の一部を失うという代償を伴うものでした。瀬戸大橋での決戦で、須美は足の機能を、園子は右目の視力を失います。さらに、園子は世界の真実を知ってしまいます。須美は満開の代償として鷲尾須美としての記憶を失い、東郷美森として生きることになります。そして物語は『結城友奈は勇者である』へと繋がっていくのです。

登場人物

鷲尾 須美 / 東郷 美森（わしお すみ / とうごう みもり）
本作の主人公。生真面目で責任感が強い少女。勇者としての使命に燃えていますが、満開の代償として記憶を失い、東郷美森として新たな道を歩むことになります。
乃木 園子（のぎ そのこ）
名家のお嬢様で、3人のリーダー。普段は頼りないですが、発想力に長けており、的確な指示で仲間を導きます。満開を繰り返した結果、重い代償を背負うことになります。
三ノ輪 銀（みのわ ぎん）
活発で明るいムードメーカー。家族思いで、勇者として果敢に戦いますが、バーテックスとの戦いで命を落としてしまいます。
安芸先生（あき）
大赦の人間で、須美たちの担任教師。勇者たちをサポートする役割を担っています。

用語解説

神樹（しんじゅ）
人類を守る要となる大樹。四国を覆い、勇者に力を与えます。
バーテックス
神樹を破壊しようとする異形の存在。勇者のみが対抗できます。
勇者システム
神樹の力で少女たちを変身させ、戦わせるシステム。
大赦（たいしゃ）
神樹を祀る組織。強大な権力を持っています。

メディア展開

小説
KADOKAWAより全1巻が発売されています。
漫画
『電撃G'sコミック』で連載されました。
* テレビアニメ
『結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-』として、テレビアニメ第2期の前半として放送されました。

『鷲尾須美は勇者である』は、少女たちの友情と勇気、そして運命に翻弄される姿を描いた感動的な物語です。ぜひ、その世界に触れてみてください。

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