鹿児島市交通局700形電車

鹿児島市交通局700形電車の歴史と特性

鹿児島市交通局700形電車は、1966年に鹿児島市電のために導入された路面電車車両です。この電車は、昭和41年から昭和42年にかけて製造され、4編成が存在しましたが、現在では全てが廃車された状態です。本記事では、その概要や歴史、運用状況について詳しくご紹介します。

概要

700形電車は、大阪市電の3001形から4両を購入し、ナニワ工機にて2車体連接車に改造されたことが特徴です。この4両は701AB、702AB、703AB、704ABとして運用されました。701ABおよび703ABは3021号・3022号と3023号・3024号の車体を流用し、702ABと704ABは新たに製造された車両です。外観は流用された車体と新製された車体でほぼ類似していますが、車掌窓と側窓には違いがあります。

サイドビューでは、1編成あたり3ヶ所のドアが設けられ、内部はロングシートで構成されていました。前面デザインは、鹿児島市電特有の形状に合わせて改良され、大阪時代とは異なる印象を与えています。走行機器は、3001形の技術が受け継がれており、鹿児島市電として初めて直角カルダン駆動と間接自動制御を搭載していました。台車は、従来のFS-252形台車を流用し、連節化のために新製されたNK-26形台車が配置されています。

歴史

700形電車は1966年に701と702の運行が開始され、部隊としてラッシュ時に多く使用されました。しかし、ボギー車時代と比較して編成ごとの主電動機出力が変わらなかったことから、乗務員からは運用に対して不満が出ることもあったようです。また、営業運行時には必ず車掌が同乗する必要があり、乗客の減少といった外的要因も影響しました。これにより、1979年には701ABと703ABが廃車となりました。

1985年には、伊敷線と上町線が廃止され、1987年には702ABが廃車にされました。最後に残った704AB編成は、1990年に冷房化の改造を受け、前照灯も新しい砲弾型に交換されるなど、近代化が図られましたが、1994年には廃車となり、この形式は消滅しました。

700形電車の廃車後、すべての車両は解体され、交通局内でFS-252台車だけが保管され、特定の車両で利用されていましたが、最終的にはそれも処分され、700形電車を想起させる痕跡は残されませんでした。

まとめ

鹿児島市交通局700形電車は、鹿児島市民の交通手段として用いられた重要な路面電車の一つです。30年以上の運用期間を経て運命を閉じましたが、その存在感は地域の交通史に刻まれています。以降、鹿児島市交通局は2000年代に新たな連接車を導入し、現代の交通環境に適応していくこととなりました。700形電車の遺産は、今も多くの人々に記憶され続けています。

もう一度検索