鹿志村仁之介

鹿志村 仁之介

2001年8月12日生まれ、茨城県出身の日本の男性総合格闘家。現在はBattle-Boxに所属している。卓越したグラップリングスキルを武器に、国内外の柔術・グラップリング大会で数々の実績を積んだ後、総合格闘家としての道を歩み始めた。

柔術家として、鹿志村仁之介はその才能を早くから開花させている。2019年には、MWJ杯ライト級で優勝を飾り、同年開催されたJJFJ全日本ブラジリアン柔術選手権では紫帯ライト級で優勝、さらにJBJJF全日本柔術選手権でも紫帯ライト級で準優勝という輝かしい成績を残した。これらの実績は、彼の高い寝技技術の基礎を形成している。また、2023年にはグラップリング大会であるNAGAにおいて、ノーギ・エキスパート・ライト級で優勝するなど、道着なしのグラップリングでもその実力を証明している。

プロ総合格闘家としてのキャリアは、2020年2月16日、PANCRASE 312で幕を開けた。デビュー戦の相手は魔破 DATE。この試合で鹿志村は自身の得意とするグラウンドの展開に持ち込み、1ラウンドにリアネイキッドチョークで一本勝ちを収める鮮烈なプロデビューを飾った。この勝利は、彼の持つ柔術スキルが総合格闘技の舞台でも十分に通用することを証明するものだった。

その後、着実にキャリアを重ねていた鹿志村仁之介だったが、2024年に大きな試練を迎える。同年3月6日に開催されるDEEP 118 IMPACTで秋元強真との対戦が予定されていたが、大会側からインフルエンザによる体調不良を理由に試合中止が発表された。しかし、試合予定日の直前になって、鹿志村選手はより衝撃的な事実に関わることになる。大麻取締法違反の疑いで逮捕されたのだ。この報道は格闘技界に波紋を広げ、鹿志村が当時所属していたジムであるIGLOOはこの事態を重く受け止め、選手との契約解除を公表した。この出来事により、彼のキャリアは一時的に中断を余儀なくされた。

しかし、逮捕から約半年後、鹿志村仁之介は総合格闘家として再びケージに戻ってきた。2024年9月16日に行われたDEEP 121 IMPACTで、力也を相手に復帰戦を行ったのだ。この試合でも鹿志村は冷静な試合運びを見せ、得意のグラウンドで主導権を握ると、またしても1ラウンドにリアネイキッドチョークで一本勝ちを収めた。この勝利は、困難な状況を乗り越えて再びプロの舞台で結果を出した彼の精神力の強さを示すものとなった。復帰戦での勝利後、鹿志村はリング上でのマイクパフォーマンスで、2024年11月に開催が予定されているRIZIN LANDMARK 10への出場を熱烈にアピールした。これは、日本のトッププロモーションであるRIZINを次の目標としている彼の強い意志表明と言えるだろう。

鹿志村仁之介のファイトスタイルは、その柔術・グラップリングのバックボーンを活かしたグラウンドの強さに特徴がある。特にリアネイキッドチョークによる一本勝ちは、プロキャリアの中で複数回見られており、彼のフィニッシュパターンの一つとなっている。立ち技にも対応しつつ、相手をグラウンドに引き込み、サブミッションを狙う展開を得意としている。

波乱含みのキャリアを歩んできた鹿志村仁之介だが、2024年秋の復帰戦で見せたパフォーマンスと、RIZIN出場への強い意欲は、総合格闘家としての彼のポテンシャルの高さを改めて印象付けた。今後、日本のトップ戦線でどのように活躍していくのか、その動向から目が離せない注目の選手である。

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