麻生包囲網

麻生包囲網について

麻生包囲網（あそうほういもう）は、2007年の自由民主党総裁選挙において麻生太郎を候補とする中、複数の派閥が福田康夫を支持して形成された政治的な動きです。この動きは、党内の派閥間の力関係を反映しており、特に安倍晋三が辞任を表明したことが大きな契機となりました。

背景

2007年9月12日、安倍首相が突如辞任を発表します。これを受けて、党執行部は新たな総裁選の日程を設定しましたが、当初のスケジュールに対する党内の異論が相次ぎ、最終的には選挙日程が延長されることとなりました。この状況で、福田康夫が町村派から擁立されると、麻生派は早くも厳しい状況に突入しました。

麻生が自民党内で後継者として期待されていたものの、相次ぐ内閣の不祥事や参議院選挙の敗北が影を落とし、党内の非主流派が結束し、福田への支持を高めていったのです。また、麻生が積極的に他派閥の支持を得ようと試みる中、反麻生の態度を示していた小泉チルドレンなども対抗馬を擁立しようとしました。

包囲網の形成

麻生包囲網は、安倍政権の下で麻生が強力な支持を受けられなかった背景にあります。特に、参院選の失敗を受けて、自民党内では安倍を降ろすべきだという意見が広がり、福田を担ぎ出すという計画が進行していました。麻生は安倍の盟友として首相の続投を促すも、党内の溝を埋めることは困難で、その結果、非主流派と町村派の連携が強まりました。

このように、福田支持を抱える派閥の流れが強くなる一方、麻生にも支持者が存在していましたが、その数は限られており、困難な選挙戦が予想されました。総裁選の準備に入ると、麻生が予想以上に善戦を果たしたものの、結果的には福田が自民党の総裁として選出されました。

選挙結果とその後

福田が総裁に選ばれる一方、麻生は326票のうち197票を集めるなど、自らの勢力を示す場面もありました。しかし、福田の圧倒的派閥支持を背後に受けての勝利であったため、麻生は入閣を求められたものの辞退し、次に繋がる道を模索することとなりました。

その後、麻生は次期総裁選に向けて準備を進める意向を示し、新たな政治の局面を迎えることとなります。2007年の自民党総裁選挙は、政権内の派閥論争とその影響、さらには日本の政局における権力の変動を示す重要な事件として位置付けられています。

麻生包囲網の意義

麻生包囲網は、単なる派閥の対立を超え、当時の日本政治に深く関わる事件であり、派閥形成の力がどのように影響しているのかを知るための貴重な事例ダシです。この動きは、自民党内部の権力闘争を明らかにし、さらなる研究と分析の必要性を感じさせます。

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