麻田マモル

麻田 マモル（あさだ まもる）

1951年5月2日、千葉県に生まれた麻田マモルは、日本の音楽シーンにおいて歌手およびミュージカル俳優として多岐にわたる活動を展開しました。そのキャリアを通じて、アニメソングから歌謡曲、さらには舞台演劇まで、幅広い分野で才能を発揮しました。

歌手としては、特に1980年代初頭に放送されたロボットアニメ『太陽の牙ダグラム』関連楽曲で知られています。この作品のために、彼はオープニングテーマ曲である「さらばやさしき日々よ」やエンディングテーマ曲「風の行方」を歌唱。また、挿入歌である「EXODUS（エキソダス）」や「父よ」なども担当し、作品の世界観を彩る力強い歌声で多くのアニメファンに親しまれました。これらの楽曲は、現在でもアニメソング史における重要な位置を占めています。

アニメソング以外にも、歌謡曲の分野で精力的に作品を発表しています。「もうひとつの人生を」、「寒い夜明け」、「太宰府詩情」、「雪舞い」、「夢色ワイン」といったタイトルで知られる楽曲群に加え、自動車メーカーである日野自動車のイメージソングとして制作された「愛は翼」なども手掛けました。さらに、「道化師の休息」や「悲しい悪魔」といった楽曲もあり、バラエティ豊かな音楽性を示しています。

歌手活動と並行して、麻田氏はミュージカル俳優としても数多くの舞台に立ちました。中でも、世界的に著名な大作である『レ・ミゼラブル』や、美しい旋律で知られる『シェルブールの雨傘』といった作品への出演経験は、彼の俳優としてのキャリアにおける重要なハイライトと言えるでしょう。舞台上でも、その表現力と歌唱力をもって観客を魅了しました。

ミュージカル俳優としての第一線から退いた後、麻田氏は活動の拠点を北海道札幌市に移し、新たな道を歩みました。札幌では自身で飲食店を経営する傍ら、店内で歌の指導を行うことにも力を入れました。彼の指導からは、多くのセミプロフェッショナルレベルの歌い手が育ち、後進の育成に貢献しました。また、俳優や女優との広範な交流関係は晩年も続き、限定的ながらも舞台に出演することもあり、自身の原点である表現活動との繋がりを保っていました。

惜しまれつつも、麻田マモル氏は2017年3月8日に逝去されました。享年65歳でした。歌手、ミュージカル俳優、そして歌の指導者として、多方面でその才能を発揮した彼の功績は、多くの人々の記憶に刻まれています。

彼の活動の一部を垣間見ることができる関連情報として、過去の「麻田マモル リサイタル in 福岡」に関する情報や、昭和53年に放送された「新日本紀行」のブルートレイン「さくら号」を特集した回（「青い流れ星に乗って」）において、14分54秒付近で本人のインタビュー映像が収録されたものなどが存在します。

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