麻田貞雄

麻田 貞雄（1936-2019）

麻田貞雄は、日本の歴史学者であり、特にアメリカ外交史および日米関係史の専門家として知られています。1958年にカールトン・カレッジを卒業し、1960年にイェール大学に入学、博士号を1963年に取得しました。以後、同志社大学で長い間教鞭をとり、法学部の助教授から教授へと昇進し、2006年に定年退官しました。

麻田先生は、研究を通じて太平洋戦争末期における原爆投下の意義について深く考察しました。彼の著書『両大戦間の日米関係』は1994年度の吉野作造賞を受賞し、その後もアメリカの戦略理論や日米関係に関する多くの考察を行いました。特に、彼の研究には太平洋戦争における日本の決定プロセスやアメリカの外交政策に対する鋭い洞察が含まれています。

麻田はまた、対米外交を重視し、長谷川毅との間で鋭い論争を繰り広げました。後者は二人の間で起きた深刻な意見の相違によるもので、麻田は原爆投下の政治的および軍事的な意義を強調しました。彼の論文や著作は、日米関係を理解する上での重要な資料として広く引用されています。

学歴と職歴

麻田は京都市で誕生し、同志社中学校および高等学校を卒業後、1955年から1958年にかけてカールトン・カレッジで歴史学を専攻しました。さらにイェール大学にて修士課程および博士課程を修了し、Ph.Dを取得。この優れた教育背景が、彼の分析力や研究の深淵さを形成したと言えるでしょう。

主要著作

麻田の著作は、多様なテーマにまたがりますが、特に日米関係に関するものが目立ちます。彼の代表作には、

• - 『両大戦間の日米関係―海軍と政策決定過程』（1993年）
• - 「From Mahan to Pearl Harbor: American Strategic Theory And the Rise of the Imperial Japanese Navy」（2006年）
• - 『リベラル・アーツへの道――アメリカ留学とその後』（2008年）などがあります。

そのほかにも、国際政治や歴史的視点からアメリカの外交政策に関する数多くの研究論文を執筆しました。

最期

麻田は2019年2月4日、京都市でインフルエンザにより83歳で逝去しました。彼の死は多くの歴史学者や学生に衝撃を与えましたが、その功績は今なお広く評価されています。日本の歴史学界における彼の存在は、今後も長く語り継がれることでしょう。麻田貞雄の研究は、私たちが歴史を理解するうえで欠かせない学びの資源となるに違いありません。

もう一度検索