黒い太陽 (記号)

黒い太陽

黒い太陽（くろいたいよう）は、12個の放射状に配置されたジークルーネ（ᛋ）や、3つ重ね合わせた鉤十字（卐）で構成される、秘教的なシンボルの一つです。ドイツ語のSchwarze Sonneに由来し、ゾネンラート（Sonnenrad：日輪）とも呼ばれます。

起源

このシンボルが最初に登場したのは、ナチス・ドイツ時代に親衛隊（SS）長官ハインリヒ・ヒムラーが、親衛隊の中心地として拡張したヴェヴェルスブルク城です。城の北塔にある「親衛隊大将の間」の床に、日輪の形をした装飾が埋め込まれていました。しかし、このデザインに固有の名前があったのか、親衛隊内で特別な意味を持っていたのかは不明です。

1991年、ラッセル・マクラウド（偽名）によるドイツの小説「タシ・ルンポの黒い太陽」が出版されました。この小説が、ヴェヴェルスブルクの装飾とネオナチの概念である「黒い太陽」を結びつけ、以後、この文様は秘教的なネオナチの概念と同一視されるようになりました。

ネオナチズムにおける利用

1990年代以降、黒い太陽は極右や秘教的な右翼の間で、代用記号や識別記号として使用されるようになりました。ネオファシスト、ネオナチ、極右、白人ナショナリストなどが広く使用しており、急進派の旗、Tシャツ、ポスター、ウェブサイト、出版物などによく見られます。

現代の極右団体は、このシンボルを「sun wheel（日輪）」または「Sonnenrad（ゾネンラート）」と呼ぶことが多いです。

具体的な事例

クライストチャーチモスク銃撃事件の犯人であるブレントン・タラント
オーストラリアのネオナチ団体「対蹠地抵抗運動」
ウクライナの極右国家警備隊「アゾフ連隊」

これらの団体や個人は、政治宣伝に黒い太陽のシンボルを利用しています。また、バージニア州シャーロッツビルで開催された「ユナイト・ザ・ライト・ラリー」に参加した複数の急進派グループのメンバーも、このシンボルを掲げていました。

その他の利用

黒い太陽は、悪魔主義の文脈で使用されることもあります。

関連項目

日章
* 太陽十字

外部リンク

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