黒岩信允

黒岩信允（くろいわ のぶみつ）

黒岩 信允は、1987年9月10日に群馬県吾妻郡嬬恋村で生まれた日本の元競技選手である。群馬県立嬬恋高等学校を経て明治大学を卒業しており、スピードスケートおよび自転車競技（ロードレース）で活動した経歴を持つ。

スピードスケートでの歩み

黒岩は特にスピードスケート選手として、高校時代に目覚ましい成績を収めた。長距離種目を得意とし、全国規模の大会でその才能を発揮した。

高校在学中の2004年には、冬季国民体育大会の少年男子10,000メートルに出場し、見事に優勝を果たした。これは、彼が全国レベルで頭角を現した初期の重要な実績となった。

翌2005年には、全国高校総体の10,000メートルに参戦。この大会では15分06秒82のタイムで5位に入賞し、上位進出を果たした。そして、最終学年となった2006年の全国高校総体では、再び10,000メートルに挑戦。この時は前年を大幅に上回る14分23秒88という好タイムを記録し、見事な初優勝を飾った。この記録は、開催リンクにおける大会記録（リンクレコード）としても刻まれた。

同じく2006年の冬季国民体育大会においても、黒岩は少年男子10,000メートルに出場し、13分50秒35で優勝。これにより、同年の全国高校総体と冬季国体の両大会で10,000メートルを制覇するという快挙を成し遂げ、二冠を達成した。この二冠達成は、当時の日本のスピードスケート界において、高校生アスリートとしての彼の地位を確立する大きな出来事であった。

大学卒業後も競技を続けた黒岩は、国内外の大会に出場し、自己記録の更新を目指した。スピードスケート選手にとって最大の目標の一つであるオリンピック出場を目指し、2010年のバンクーバーオリンピック日本代表選考会にも挑戦したが、5000メートルでの出場を目指すも、結果は13位に終わり、惜しくも代表の座を掴むことはできなかった。この経験は、彼の競技人生における一つの転換点となった。

自転車競技への転向

スピードスケート選手としての活動に一つの区切りをつけた黒岩は、新たな挑戦として自転車競技、特にロードレースへの転向を決意する。2012年からは自転車ロードレースチーム「RISING VAX」に加入し、競技者としてのキャリアを継続した。スピードスケートで培った強靭な脚力や心肺機能、そして長距離競技における豊富な経験は、ロードレースにおいても大いに活かされることとなった。競技のフィールドは氷上から舗装路へと変わったが、アスリートとしての探求心と挑戦する意欲を持って、自転車の世界で新たな一歩を踏み出した。

黒岩信允は、出身地である群馬県を代表するアスリートの一人として、特に高校時代のスピードスケート長距離種目における輝かしい功績、すなわち全国高校総体での優勝や国民体育大会との二冠達成によってその名を馳せた。その後、自転車ロードレースという異なる競技へと活躍の場を移し、多角的なアスリートキャリアを築いた人物である。彼の競技人生は、一つの分野で頂点を極めた経験を活かし、新たな分野へと挑戦する姿勢を示している。

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