黒川みどり

黒川 みどりの概要

黒川みどり（くろかわ みどり、1958年 - ）は、日本における歴史学者であり、特に被差別部落史に関する研究で知られています。彼女は早稲田大学で博士号を取得し、静岡大学の教育学部で教授を務め、学界において重要な影響を与えています。彼女の研究は、被差別部落の歴史とその社会的認識の変遷を深く探求しており、これに関する多くの著作を出版しています。

学歴と経歴

黒川みどりは三重県津市に生まれ、三重県立津高等学校を経て、1981年に早稲田大学第一文学部で日本史学を専攻して卒業しました。その後、1990年には同大学院の博士課程を満期で退学し、2000年に「異化と同化の間 -近代社会における被差別部落認識」というテーマで博士（文学）の学位を取得しました。研究活動を経て、静岡大学の教育学部において助教授、後に教授として教鞭を執っています。また、2000年から2001年にはミネソタ大学歴史学科で客員研究員としても活動しました。

研究と著作

彼女の研究の中心は、被差別部落と社会におけるその認識に関するものであり、多くの著書を著しています。主な著作には、1999年に出版された『異化と同化の間 被差別部落認識の軌跡』や、2003年の『地域史のなかの部落問題 近代三重の場合』、2011年の『近代部落史 - 明治から現代まで』などがあります。これらの著作は、被差別部落に関する歴史的な背景や、その社会的状況についての深い考察を提供しています。特に彼女の研究は、被差別部落の問題が現代においてもいかに影響を及ぼしているかを考えさせられる内容となっています。

共編著と論文

黒川はまた、共編著や論文も多数執筆しており、部落解放や人権問題に関する多様な視点が盛り込まれています。共著された著書には、1988年の『米騒動と被差別部落』や、2006年の『続 人物でつづる被差別民の歴史』などがあります。また、彼女は2018年に発表された論文「現代の部落問題と人種主義」など、多岐にわたるテーマについての論考を発表し、学術的な討論に寄与しています。

映画やメディアの活動

さらに、黒川みどりは映画の制作にも参加しており、2022年には「私のはなし 部落のはなし」という作品に出演しています。これは、部落問題に関する理解を深めるための重要な試みとして位置付けられています。

まとめ

黒川みどりは、日本の歴史学の中で重要な役割を果たしてきた学者です。彼女の研究や著作は、被差別部落の認識とその影響を考える上で欠かせない資料となっています。教育機関での教授職のみならず、学際的な活動を通じて、彼女は被差別部落に関する理解を深め、社会における差別問題の解消に寄与しているのです。

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