黒川雅之

黒川雅之について

黒川雅之（くろかわ まさゆき）は、1937年4月4日に愛知県名古屋市で誕生した著名な建築家およびプロダクトデザイナーです。彼は、名古屋工業大学の建築学科を1961年に卒業し、その後早稲田大学大学院で建築学を専攻。1967年には同大学院の博士課程を修了し、自身の設計事務所を設立しました。

彼の家族には、著名な建築家である兄の黒川紀章と弟の黒川喜洋彦がいます。黒川雅之は日本建築学会および日本建築家協会の会員であり、金沢美術工芸大学大学院の専任教授としても活躍しています。彼の活動は日本国内にとどまらず、2019年からはシンガポールを拠点に「食」をテーマにしたオリジナルブランド「HERE」を立ち上げ、国際的な設計やデザイン活動を展開しています。

経歴と受賞歴

黒川雅之は、1968年に第1回メンブレイン・デザイン・コンペで1等を受賞するなど、早くからその才能が注目されました。1970年には量産住宅国際競技設計で1等を受賞し、その後も数々の賞を受賞しています。1976年にはインテリアデザイン協会賞、1986年には毎日新聞の毎日デザイン賞を受賞し、1994年にはグッドデザイン賞のレジャー・ホビー・DIY部門賞を受賞しました。

彼は多くの重要なデザインに関与し、特に1988年にはメトロポリタン美術館の「20世紀ジャパンデザインコレクション」に名作が選ばれています。これにより、彼の作品は世界的に評価されることとなり、ニューヨーク近代美術館でも複数の作品が永久コレクションに登録されています。

主な作品

彼の作品には、建築とプロダクトデザインの両方があります。建築においては、東京の銀座くのやや栃木県の大金ゴルフ倶楽部のクラブハウス、また千葉ポートパークの野外劇場などがあります。さらに、彼は島根県の来待ストーンミュージアムや健康の里来待診療所・健康センターなども手掛けています。

製品デザインでは、灰皿「GOMシリーズ」や組立家具「インゴット・バッタ」、水栓金具「Kシリーズ」など、多岐にわたるデザインを展開しています。照明器具「コブラ」や「フーモ」、さらには半閉鎖式スキューバダイビングシステム「FIENO」など、彼のデザインは実用性と美を兼ね備えたものとして高く評価されています。

著作

黒川は著述活動にも力を入れており、「ARCHIGRAPH 黒川雅之ｘ稲越功一」（1992年）や「黒川雅之のプロダクトデザイン」（1993年）など、多くの著書があります。彼の著作には、デザインに関する深い洞察が込められており、デザイン理念や実践に対する強い見識が振り返られています。特に「反対称の物学」や「デザイン曼荼羅」というタイトルは、デザインの根底にある哲学を探求する内容となっています。

まとめ

黒川雅之は日本の建築とデザインの分野で重要な役割を果たし、彼の作品と理論は多くの後進のデザイナーにも影響を与えています。彼の活躍は、日本国内外での建築や製品デザインの新しい潮流を創り出しており、今後の活動にも大いに期待が寄せられています。

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