黒木利克

黒木 利克について

黒木利克（くろき としかつ）は、1913年9月28日に宮崎県の現在の西都市で生まれた日本の厚生官僚及び政治家である。彼は昭和時代に特に活躍し、社会福祉の現代化に向けた重要な役割を果たした。法学博士としても名を馳せ、彼の研究は日本の社会事業の発展に寄与した。

学歴と初期のキャリア

宮崎県立妻中学校（現宮崎県立妻高等学校）を経て、第五高等学校を卒業。その後、1940年に東京帝国大学法学部を卒業し、同年、高等試験の行政科に合格した。1940年には厚生省に入省し、衛生局に所属した。

彼のキャリアの初期には、秋田県での産業課長としての職務に従事し、その後、1948年には厚生省社会局の厚生課長として米国に留学。帰国後、様々な役職を歴任し、特に1952年から1956年までの期間では、厚生大臣官房企画室長として第一回厚生白書の作成を担当した。さらに、1957年には社会保障研究のために英国及び北欧に出張し、国民皆年金の準備事務局長などとして活動した。

政治活動

黒木は1965年に自由民主党から参議院に立候補し、全国区で当選。1期の任期を全うした後、1971年の改選には出馬せず、参議院議員としての活動を終了した。この期間、自民党の社会保障調査会副会長や、社会保障制度審議会の委員なども歴任。その後、1972年と1976年の衆議院議員選挙では宮崎県第1区から出馬したものの、残念ながら落選した。

著作と影響

彼の貢献は政治の枠を超え、数多くの著書を通じて広がった。代表的な著作には『アメリカ社會事業瞥見』や『日本社会保障』『現代社会福祉事業の展開』などがあり、これらは日本の社会保障や福祉制度における重要な参考文献となっている。特に『日本社会事業現代化論』は、彼の学位論文でもあり、社会事業の在り方について深い洞察を提供している。

最晩年

黒木は1978年9月24日に心筋梗塞により東京都杉並区の自宅で亡くなった。享年64歳。彼の死後、勲二等瑞宝章が追贈され、従六位から従四位、さらに正四位に位一級追陞された。彼の残した業績は現在でも多くの人々に影響を与え続けている。

参考文献

• - 宮崎県政外史編纂委員会編『宮崎県政外史』
• - 衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』
• - 秦郁彦編『日本官僚制総合事典1868-2000』
• - 『国政選挙総覧：1947-2016』

黒木利克の業績は、日本の社会福祉や保障制度の進展において欠かせないものであり、現代の社会福祉の多くの基盤を築いた人物として評価される。

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