黒木靖夫

黒木 靖夫の業績と人物像

黒木靖夫（くろきやすお）は、1932年10月2日に宮崎県西都市で生まれ、2007年7月12日に胃癌のために亡くなった、日本を代表する工業デザイナーです。彼はソニー株式会社において多くの重要なポジションを歴任し、その後独立してデザイン業界に貢献しました。独自の視点とデザインへの情熱を活かし、数多くのプロジェクトに携わりました。

学歴とキャリアの始まり

黒木は宮崎県立妻高等学校を卒業後、千葉大学工学部工業意匠学科を修了しました。卒業後は、そごうに入社し広告部門で勤務。そこでの経験を活かし、3年後にソニーの求人広告を見て中途入社を果たしました。彼は創業者の盛田昭夫と井深大に才能を見出され、特に盛田とは深い信頼関係を築くことになります。

ソニーでの主な業績

彼の手掛けた代表的なプロジェクトの一つが、ソニーの企業ロゴマークのデザインです。1970年代には、企業の主力業務用モニターである「プロフィール」のプロジェクトリーダーを務め、つくば万博では「ジャンボトロン」の担当をし、ソニーの技術力を世に示しました。1988年には、様々な役職を経て取締役に就任し、1990年にはソニー企業の代表[[取締役]]にも就任しました。

独立と地域振興

1993年にソニーを退職した後、黒木は「株式会社黒木靖夫事務所」を設立し、独自のデザイン活動を始めました。また、富山県知事の招きにより富山インダストリアルデザインセンターの所長に就任し、地域のデザイン振興に努めました。特に「とやまプロダクトデザインコンペ」を主催するなど、地元のデザイナーと地域産業のつながりを重視した活動を行いました。

教育と後進育成

黒木は教育にも力を入れ、東北芸術工科大学、成安造形大学、立命館大学で客員教授として多くの学生に影響を与えました。彼はデザインの重要性を理解し、それを次世代に伝えることに尽力しました。

著書と影響

黒木は設計やデザインに関する著作も数多く残しており、例えば「ウォークマン流企画術」や「大事なことはすべて盛田昭夫が教えてくれた」など、デザインの実践や理念を多くの人に伝えました。彼の作品や思想は、今でもデザインやビジネスの現場で生かされています。

まとめ

黒木靖夫は、長いキャリアを通じて日本のデザイン界に多大な影響を与えた人物であり、彼の作品や教育活動は今なお多くの人々に受け継がれています。74歳という若さでこの世を去った彼の遺した思想やビジョンは、未来のデザイナーたちにとっても貴重な財産となるでしょう。

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