黒沢道家

黒沢道家の生涯

黒沢道家（くろさわ みちいえ、1567-1623年）は、戦国時代から江戸時代初期にかけて活躍した武士であり、仙北小野寺氏の家臣として知られています。彼は小野寺義道に仕官し、その後佐竹氏の家臣となりました。道家は通称「甚兵衛」と呼ばれ、さまざまな戦いや戦略においてその名を残しています。

若き日の道家

「黒沢家譜」によれば、道家は実父を小野寺氏、実母を黒沢氏に持っていました。14歳の時には黒沢長門守の娘婿となり、義父も当初は甚兵衛を名乗っていました。義父の長門守は戦国大名・小野寺氏の家臣であり、黒沢城の城主であったため、道家も早くから武士としての道を歩んでいくことになります。

道家は若い頃から多くの戦闘に参加し、戦場での優れた戦術や勇気を示しました。特に、奥羽永慶軍記によると、道家は岩崎反攻の際に先陣を切り、多くの敵を相手に奮闘しました。この戦闘での彼の姿は周囲の武士たちに強い影響を与えたと伝えられています。

小野寺家から佐竹家へ

慶長の初め、道家は小野寺家が改易された後、佐竹氏の家臣として仕官することになります。彼は義道の命を受けて、八柏道為を暗殺するという決定的な行動を起こしました。しかし、この暗殺劇はのちに小野寺家の凋落を招く要因ともなったと言われています。

慶長6年には、旧小野寺家臣の滝沢三右衛門と共に小野寺氏を訪れ、その後秋田に帰郷しました。そして、慶長7年には佐竹氏の先遣隊を出迎え、平和的に問題の解決に尽力しました。

久保田藩での活動

道家は佐竹氏に仕官した後、200石の知行を賜り、徐々にその地位を高めていきます。慶長9年には角間川開発に従事し、慶長10年には正式に佐竹氏の家臣としての地位が認められます。そして、慶長17年には院内銀山に関与し、高い評価を受けるようになります。

大坂冬の陣での活躍

道家の名前は大坂冬の陣でも知られています。彼は今福表での接戦に参加し、敵兵と戦いながら数々の傷を負いながらも勇敢に戦いました。その戦功が認められ、徳川秀忠から感謝状を受け取り、小袖と陣羽織を贈られました。

その後の道家

道家の後、黒沢家は久保田藩の重臣としての地位を保ち続け、特に角右衛門道廣がその家督を受け継ぎました。明治維新までの長い年月、黒沢家は重要な役割を担い、江戸時代においても影響力を持つ存在でありました。

現在の黒沢家

黒沢家は久保田城下に屋敷を構え、複数回にわたり移転を繰り返しながら居住していました。最終的に、彼らが住んでいた黒沢家住宅は1989年に市に寄贈され、その後一般公開されることとなりました。

黒沢道家の生涯は、彼の戦いと戦略だけでなく、家族や所属した藩への忠誠心、さらには佐竹氏との深い関係を通して、武士の理想像を体現した人物として語り継がれています。

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