黒瀬陽平

黒瀬陽平

黒瀬陽平（1983年5月10日 - ）は、日本の現代美術家、美術批評家、アニメ評論家であり、美術予備校・新宿美術学院で教鞭を執る教育者でもあります。また、批評誌『REVIEW HOUSE』の編集委員も務めています。高知県出身。

略歴

2006年に京都造形芸術大学芸術学部情報デザイン学科を卒業後、2008年に東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修士課程を修了しました。

高校時代からその才能を発揮し、高知県展では1年生にして最年少入選を果たし、3年生時には洋画、デザイン、立体の3部門で入選を果たしています。

2008年3月には『レビューハウス』創刊号に寄稿し、同年4月には『思想地図』vol.1に投稿した論文が東浩紀の目に留まり、美術批評家としてデビューしました。

2010年4月には、現代アートのあり方を問い直す「カオスラウンジ宣言」を発表。「アートに神秘性などない。人間の知性も感性も内面も、すべては工学的に記述可能である」といった過激な言説は、現代アート界に大きな波紋を呼びました。黒瀬は「カオスラウンジ」の代表として、展覧会やイベントを企画・運営し、若手アーティストの育成にも力を注いでいます。

2010年には、『文學界』で新人小説月評を担当。また、東京藝術大学の受験に失敗した受験生の作品を展示する「芸大不合格者展」を提唱し、現代アートにおけるクリエイター育成の問題点や、美術大学の役割について議論を巻き起こしました。

2020年には、アシスタントスタッフへのパワーハラスメント行為が発覚し、代表社員を務めていた合同会社カオスラを退社。自身のTwitter上で謝罪しました。その後、2024年に訴訟の結果が発表され、本件は終結しています。

主な活動

NO BORDER展（高知県立美術館、2002年）
個展（立体ギャラリー射手座、2004年）
京都アートアニュアル2004（京都造形芸術大学、2004年）
カオスラウンジ2010 in 高橋コレクション日比谷（東京、2010年）
カオスラウンジ新芸術祭2017 百五○年の孤独展（福島県いわき市、2017年）
現代美術ヤミ市 限りなくゴミに近いマテリアルの市（東京、BUCKLE KOBO、2018年）
TOKYO 2021 慰霊のエンジニアリング展（東京、戸田ビル、2019年）
お分かりでしょうけれど、私は画家であることをやめてはいません。（東京、2023年）

著書

『情報社会の情念―クリエイティブの条件を問う』NHKブックス 2013

主要論文

「『らき☆すた』──空転するメタ意識」（『REVIEW HOUSE』01、2008.03）
「キャラクターが、見ている。──アニメ表現論序説」（『思想地図』vol.1、2008.04）
「新しい「風景」の誕生──セカイ系物語と情念定型」（『思想地図』vol.4、2009.11）

外部リンク

生活の柄／CharacterintheExpandedField（ブログ）
黒瀬陽平 (@kaichoo) - X（旧Twitter）
CINRA MAGAZINEによるインタビュー
荻上チキによるインタビュー
カオスラウンジ

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