黒田重太郎

黒田 重太郎（くろだ じゅうたろう）

黒田重太郎は1887年9月20日に滋賀県で生まれ、1970年6月24日に逝去した日本の洋画家として知られています。彼の絵画は日本の近代洋画の発展に重要な役割を果たし、洋画家の教育にも尽力しました。

経歴の概要

黒田は若い頃から美術に興味を持ち、名画家の鹿子木孟郎や浅井忠に師事しました。1912年、このとき彼は文展に初入選を果たし、画家としての道を歩み始めました。その後、1923年には二科会の会員となり、芸術活動を広げました。

1924年には小出楢重らと共に大阪で「信濃橋洋画研究所」を設立し、後進の育成に尽力しました。この学校は、洋画を志す多くの芸術家にとって大きな影響を与えました。1968年には関西美術院の初代理事長に就任し、芸術界での地位を確立しました。

受賞歴と家族

黒田はその業績を評価され、1969年に日本芸術院恩賜賞を受賞しました。彼の家族には、染色家の黒田暢や元嵯峨美術短期大学学長である黒田暢が彼の次男であり、また画家の黒田アキは彼の甥です。これらの関係から、黒田家は日本の美術界において重要な存在となっています。

著書

黒田重太郎は著書を多数残しており、その中には美術理論や技法に関するものが多く含まれています。以下に彼の主な著書を挙げます:

• - 『セザンヌ以後』（1920年）
• - 『憧憬の地 芸術環境』（1920年）
• - 『ヴァン・ゴッホ 泰西名画家伝』（1921年）
• - 『構図の研究』（1925年）
• - 『油絵技法の変遷 上巻』（1927年）
• - 『素描・色彩の研究』（1932年）
• - その他、多数の著作が存在します。

これらの著書は、彼の美術への理解を深め、後世の芸術家たちに大きなインスピレーションを与えるものでした。

展覧会

黒田重太郎の没後35年を記念して「黒田重太郎展」が2005年に開催されました。この展覧会では、佐倉市立美術館や滋賀県立近代美術館などが協力し、彼の作品とその影響を広く紹介しました。

まとめ

黒田重太郎は、近代日本の洋画を牽引した重要な画家であり、教育者としても多くの後進に影響を与えました。彼の業績や著書は、今なお多くの芸術家に引き継がれています。彼の作品を通じて、日本の洋画の歴史をより深く理解することができるでしょう。

もう一度検索