黙活

黙活とは

黙活（もくかつ）は、新型コロナウイルスの流行に伴い、感染拡大を防止するために、発声による飛沫の拡散を抑える行動を促す活動を指します。具体的には、家族や友人が集まる場面での会話を控えるようにと促す形で、さまざまな場所に「黙って〇〇する」と表現された注意喚起が行われています。この項目は、特に会食が感染拡大の要因として問題視されたことを受けて、多くの飲食店が「黙食（もくしょく）」の提唱を始めたことが発端となりました。

特に注目されたのは、福岡県福岡市にあるマサラキッチンの店主、三辻忍（みつじ しのぶ）が発信したツイートであり、これが多くの人々からの賛同を得た結果、新語・流行語大賞のトップテンにも選ばれました。

黙活の各種応用例

黙活は単なる「黙食」にとどまらず、多様な行動規範として広がりを見せています。以下にいくつかの応用例を挙げてみましょう：

• - 黙トレ：新型コロナの流行初期にクラスターが発生したスポーツジムで用いられ、静かにトレーニングすることを求める表示がされました。
• - 黙浴（もくよく）：銭湯に掲示され、静かに入浴することを促します。
• - 黙煙（もくえん）：喫煙所でマスクを外すことが考慮され、静かに喫煙するよう促されます。
• - 黙買（もくがい）：スーパーマーケットなどでの買い物時に静かに行動するよう呼びかけられます。
• - 黙歩（もくほ／もっぽ）：公園や遊歩道などで静かにジョギングを楽しむことを推奨する表示です。さらに「黙走（もくそう）」や「黙ラン」といった形でも見られます。
• - 黙式（もくしき）：2021年の成人式では、参加者全員による合唱を自粛し、今後卒業式や入学式でも同様の取組みが広がる可能性があります。
• - 黙乗（もくじょう）：エレベーター内などの公共交通機関でも、静かに乗車することが求められています。
• - 黙援（もくえん）：競技場やスポーツ観戦の現場においても、拍手や応援する情報を控えるように促されることがあります。
• - 黙勉（もくべん）：教室内での静かな学びを促すための表示ですが、ディスカッション形式の授業を重視する考え方に反するという意見も見受けられます。

このように、黙活は「黙〇」の形式で多様な表現が存在し、時には「黙トレ」のように仮名が交じることがあります。また、「黙」を「静（せい）」で代替する例もあり、たとえば「静食」のような表現があります。

一方、反発の事例も存在します。たとえば北海道では、昼カラ（ノンストップでカラオケを楽しむ業態）の店舗に対し、自粛警察が「黙歌（もくうた）」「黙カラ」といった表現で警告文を掲示するなどの動きも見られました。これにより、黙活の広がりには賛否があり、一つの文化として定着するかどうか注目されています。

結論

黙活は、新型コロナウイルス感染症対策の一環として広がった行動様式であり、さまざまな場面で実施されていることから、今後も社会の中で重要な役割を果たすことが期待されます。多様な応用例や表現があり、状況に応じて適切な行動を促すための工夫が求められています。

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