鼓浪嶼

鼓浪嶼（コロンス）

鼓浪嶼は、中華人民共和国福建省厦門市に位置する美しい島で、閩南語では「Kó͘-lōng-sū」と呼ばれています。この島は、音楽と独特の建築文化が深く根付いており、特に20世紀初頭のモダニズムとアールデコ様式が融合したアモイ・デコ様式が評価されています。2017年には、世界遺産に登録されました。また、1988年に国家級風景名勝区、2007年には5A級観光地としても認定されています。

この島は、アヘン戦争後の1842年に締結された南京条約によって開港された五つの港の一つでありましたが、島内には多くの西洋人が住む領事館が設置され、独自の文化を形成していきました。現在でも、洋館や教会の面影が色濃く残っています。特に興味深いのは、かつて中国唯一のピアノ博物館があったため、鼓浪嶼は「ピアノの島」とも称されていました。この文化的背景から、島内の学校では音楽専門の授業が行われており、さらには厦門市の市歌となっている「コロンス島の波」という曲も存在します。

観光地として賑わう鼓浪嶼には、見どころがたくさんあります。まず、島内最高峰の日光岩があります。ここは鄭成功が要塞を築いた地で、その名は日光岩寺に由来しています。次に、1913年に台湾の富豪によって造られた菽荘花園があります。この美しい庭園からは、渡月亭とともに美しい海岸線を楽しむことができます。また、園内にはピアノ博物館も併設されています。

鄭成功を記念するために作られた公園である皓月園も必見です。音楽好きは風琴博物館にも足を運びたいところです。ここは世界最大級のオルガン博物館で、64台の歴史的なパイプオルガンが収蔵されています。さらに、国際刻字芸術館には、東アジアからの400点以上の刻字作品が展示されています。

歴史的建造物も豊富で、旧日本領事館や旧アメリカ領事館、旧英国領事館などが現存しています。博愛病院は1933年に日本によって建設され、その歴史を垣間見ることができます。他にも、天主堂や八角楼、黄栄遠堂、海天堂構など、それぞれが異なる文化的背景を持つ建物が点在しています。

この島は、バイクや自動車の走行が禁止されており、許可された観光用の電気自動車だけが走行可能です。そのため、訪れる人々は静かな環境で島の美しさを楽しむことができます。観光客は三丘田埠頭や内暦澳埠頭を利用して簡単にアクセスでき、島の中心地にも近い鼓浪嶼埠頭が市民に利用されています。

アーティストや歴史的人物も多く住んでおり、近年では数々の著名人がこの地を訪れています。鼓浪嶼は音楽と歴史の交差点であり、その魅力的な文化遺産は訪れる人々を魅了し続けています。

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