齋藤雅巳

齋藤雅巳 - 日本の登攀家

齋藤雅巳（さいとう まさみ）は1946年生まれで、群馬県出身の登攀家です。彼は大学時代に登山部に所属し、初めての海外遠征を果たした群馬県人であり、プロの登山家として数々の記録を打ち立ててきました。その経歴は登山界でも高く評価されており、多くの登山者たちにとっての憧れの存在となっています。

来歴

1969年、齋藤氏はヨーロッパアルプスへの遠征を行い、イタリアのドロミテ・アルプスにおいて、チヴェッタ北壁のゾレダールートを含む多くの難関ルートを攻略しました。特に、チマ・グランデ・ディラバレド北壁のスーパーディレッティシマルートを日本人初の記録として登攀したことは、当時の登山界において大きな話題となりました。

その後も、フランスアルプスのエイギュード・ミディ南壁や、グランドジョラス北壁のウォーカーバットレスなど、数々の難易度の高いルートを登攀し、世界の単独登攀で2位となる実績を持っています。その後、ドロワット北壁の直登ルートにて日本人初登攀を成し遂げるなど、彼の足跡は登山史に刻まれています。

近年の活動

1997年12月には、栃木県の藤坂峠近くの岩場を再開拓し、2000年には高さ50メートル、幅100メートルのロッククライミングゲレンデ『藤坂ロックガーデン』を完成させました。これにより、地域の登山文化の発展にも貢献しています。

主な登山記録

夏期登攀記録（1964年〜1968年）

• - 谷川岳、一ノ倉沢、烏帽子奥壁：特に中央カーテンルートやチムニールートの登攀。
• - コップ状岩壁：緑ルート、雲表ルートの攻略。
• - 岳人ルートなど多岐にわたる。
• - 富士山には4回登頂。

冬期登攀記録

• - 穂高屏風岩東稜や前穂高東壁の連続登攀を行い、松高ルートでの登頂も評価されています。
• - 谷川岳の一ノ倉沢や烏帽子沢奥壁において凹状ルートから衝立岩正面壁の第二雲稜ルートへの連続登攀を果たしています。
• - 富士山へは冬季に3度登頂。

齋藤雅巳は、冬期登攀や近年の岩場取り組みを通じて、日本の登山界において重要な貢献を果たし続けています。彼の登攀は多くの人々にインスピレーションを与え、次世代の登山者に道を示す存在となっています。関連書籍として、別冊山と渓谷『Rock & Snow』1998秋冬号などが出版され、彼の活動が広く知られていることを物語っています。

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