龍山基地

龍山基地について

龍山基地（ヨンサンきち）は、韓国のソウル特別市龍山区に位置する在韓米軍の基地であり、その位置はソウル駅の南にわずか1キロほどの地点にあります。この基地は面積2.9平方キロメートルに及び、地理的にも非常に重要な場所に存在しています。かつては、北側にある「メイン・ポスト」には在韓米軍司令部や第8軍司令部、在韓国連軍司令部といった指揮機関が集中し、南側の「サウス・ポスト」には住宅、学校、病院、スポーツクラブ、娯楽施設などが整備されていました。

国防上の理由から、この基地は韓国国内の地図には記載されず、しばしば緑地や空き地として表現されます。また、衛星写真においても、森林の画像が合成されることがあります。

歴史的背景

龍山基地の歴史は深く、13世紀の高麗時代に蒙古軍が兵站基地として利用したという記録があります。さらに、文禄の役の際には日本軍がこの地域に陣を構えました。1882年に起きた壬午事変では清国軍が駐留し、以降この地には外国軍が常駐するようになります。1904年の日露戦争では、日本がこの地を約300万坪購入し、陸軍の駐屯地として整備しました。1945年の日本の敗戦後、アメリカ軍がこの基地を引き継ぐことになり、その後、朝鮮戦争を経て米軍の駐留が続きました。

基地の移転

2004年には、米韓両国が協議の結果、龍山基地の移転を決定。米軍約8000人は2008年までに、ソウルの南80キロにある平沢市に新設されたハンフリーズ基地へ移転することになりましたが、移転は延期されました。2017年には実際に移転作業が開始され、2018年6月には在韓米軍司令部が平沢に移転を完了し、73年間の歴史が幕を下ろしました。

その後も韓米連合軍司令部の移転が進められ、2022年にはその全機能がハンフリーズ基地に移転されることで、龙山基地における在韓米軍の主要活動はすべて終了しました。

龍山基地跡地の利用計画

現在、ソウル特別市は龍山基地跡地を公園化する計画を進めています。しかし、完全な移転後も、光化門に位置する駐韓アメリカ合衆国大使館の移転候補地など、一部の敷地は引き続きアメリカ合衆国が使用する予定です。このように、龍山基地は歴史的にも地理的にも重要な場所であり、その移転後の利用計画も注目されています。

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