龍巍生明

龍巍 生明

龍巍 生明（りゅうぎ たかあき）は、1976年（昭和51年）6月17日生まれ、岡山県総社市出身の元大相撲力士である。本名を守安 年章（もりやす としあき）という。総社市で生まれたが、人生のある時期を高梁市で過ごした経験から、自らの出身地として高梁市を挙げることもあった。身長191センチメートル、体重134キログラムという恵まれた体躯を持ち、血液型はA型、星座は双子座であった。所属した部屋は、元大関・魁傑將晃が創設し、指導にあたった放駒部屋。力士としての最高位は幕下2枚目である。得意とした相撲の型は右四つ、そしてそこからの上手投げであった。

土俵人生の始まりと四股名の変遷

守安年章少年が相撲の世界に足を踏み入れたのは、1992年（平成4年）3月のこと。この場所で「水野」の四股名を名乗り、晴れて初土俵を踏んだ。入門からおよそ一年後の1993年（平成5年）3月には、四股名を「魁松山 巧瞭（かいしょうざん たかあき）」へと改めている。この「魁松山」という四股名は、師匠である放駒親方（元魁傑）の「魁」の字を受け継いだものであり、期待の表れとも言えるだろう。興味深いことに、この「魁松山」の読みについては、1999年（平成11年）の初場所と春場所の間、一時的に「かいしょうやま」という読み方を使用していた時期がある。その後、約6年にわたり「魁松山」として土俵を務めた後、2005年（平成17年）の名古屋場所より、現在の四股名である「龍巍 生明」に名を改めた。この最後の改名まで、彼は様々な四股名や読み方を変えながら、自身の相撲道を追求していった。

番付の推移と力士としての特徴

龍巍が力士人生で最も高い地位に到達したのは、2004年（平成16年）の秋場所である。この場所で、自己最高の番付となる幕下2枚目へと昇進を果たした。関取目前まで番付を上げたことは、彼の力士としての実力が十分に通用したことを示している。最高位到達は「魁松山」時代のことだった。身長191cm、体重134kgという大型力士でありながら、得意技を右四つ、上手投げとしていたことから、組んでからの勝負を得意としていたことがうかがえる。相手に右を差し込み、がっぷり組んでからの力強い投げ技で、白星を重ねる相撲を得意としていたのだろう。大きな体を生かした四つ相撲は、対戦相手にとって非常に厄介であったはずだ。

引退、そして土俵に別れを告げるまで

龍巍は、入門から約17年間にわたり、相撲一筋の人生を送った。しかし、力士人生には必ず終わりが来る。2009年（平成21年）の秋場所、彼はこの場所を最後に現役力士としての活動に終止符を打つことを決意した。長きにわたる土俵生活、そして度重なる四股名や読み方の変更を経ながら歩んできた彼の相撲道は、この場所をもって一区切りとなった。怪我や体力の衰えなど、様々な要因が引退の理由として考えられるが、約17年という期間は、力士としては決して短くない道のりであった。引退後、龍巍がどのような道を歩んだかについては、この情報からは明らかではないが、彼が土俵で培った経験は、その後の人生においても大きな糧となったことだろう。放駒部屋の一員として、師匠や兄弟子、弟弟子たちと共に汗を流した日々は、彼の心の中に深く刻まれているはずである。龍巍 生明という力士は、幕下という番付の中で、自身の持ち味を最大限に生かし、土俵にその存在感を示した力士の一人であったと言えるだろう。

関連項目

• - 魁傑將晃
• - 放駒部屋

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