龍泉寺 (熊谷市)

龍泉寺の魅力と歴史

埼玉県熊谷市に位置する龍泉寺（りゅうせんじ）は、真言宗豊山派に属し、厄除けと開運の名所として知られています。日本三大厄除け開運大師の一つとされ、一般的には「埼玉厄除け開運大師」として広く親しまれています。この寺院には1200年を超える歴史があるとされ、平安時代には弘法大師空海も訪れたとの言い伝えがあります。このことから、龍泉寺は空海が生存していたよりも以前から建立されていたのではないかと推測されています。

厄除けと開運の両大師像

龍泉寺は「厄除け金色大師」と「開運金色大師」の両大師像が安置されている唯一の寺院です。この二体の仏像への信仰は、厄除けと開運を求める多くの参拝者を惹きつけ、毎年訪れる人々で賑わいます。さらに、寺院には他にも多くの仏像が存在し、それぞれに由来とご利益があります。

渡辺崋山と天井画

この寺院は、美術家である渡辺崋山との関わりも深いです。崋山は三河国の田原藩の家老であり、かつて当地の三ケ尻村を訪れた際、寺の天井画を描きました。現在、この天井画は埼玉県の文化財として指定されています。崋山の作品は、寺の華やかさをさらに引き立てる要素となっています。

切り絵御朱印の発祥の地

龍泉寺は「日本の切り絵御朱印発祥の寺」とも言われています。元々は檀家向けに用意されていたこの切り絵御朱印が、2017年にデザインリニューアルされ、一般の参拝者にも授与されるようになりました。その美しさが評判となり、特に2022年の初詣では、限定の切り絵御朱印を求めて4時間も並ぶ列ができるほどの人気を誇りました。この独自の御朱印は、他の寺院でも取り入れられるようになり、全国的に広がりを見せています。

文化財の紹介

龍泉寺にはいくつかの文化財があり、以下のものが特に重要とされています：

• - 松図格天井画（崋山筆）: 埼玉県指定有形文化財として1955年に指定。
• - 龍泉寺本訪瓺録: こちらも埼玉県の有形文化財として1955年に指定。
• - 紙本淡彩双雁図: 1960年に埼玉県の文化財に指定されました。

これらの文化財は龍泉寺の歴史的価値を示すものであり、訪れる参拝者にその魅力を伝えています。

交通アクセス

龍泉寺へのアクセスは、近隣の明戸駅から徒歩約21分、または籠原駅南口から出ている熊谷市のコミュニティバス「ほたる号」を利用し、観音山バス停で下車後、徒歩5分と非常に便利です。訪れる際には、自然豊かな環境の中でゆったりとした時を過ごすことができるでしょう。

参考文献

過去の文献では、花井泰子、花井敬、青木忠雄著の『さいたま寺社めぐり 夫婦で訪ねた四季の寺社76選』が、この寺の歴史や文化について楽しく学ぶのに適しています。

以上ように、龍泉寺はただの寺院に留まらず、歴史的な背景や文化財、ユニークな御朱印を通じて多くの人々に愛され続けています。

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