.260レミントン

.260レミントン：高性能ライフル実包の詳細解説

.260レミントンは、1997年にレミントン・アームズ社が発表したライフル実包であり、6.5-08 A-Squareとしても知られています。この実包は、.308ウィンチェスターをベースとしたワイルドキャット・カートリッジを標準化したもので、高い圧力で使用されることが特徴です。

特徴

弾道特性: 6.5mm口径は比較的高い弾道係数を持つため、ベンチレスト射撃や長距離射撃などの競技で有利です。
リコイル: リコイルが小さいにもかかわらず、.300ウィンチェスター・マグナムに匹敵する弾道を発揮します。
互換性: .308ウィンチェスターから.260レミントンへの口径変更は、一般的に銃身の交換のみで可能です。

起源と歴史

.260レミントンは、元々6.5-08という名称のワイルドキャット実包として開発されました。LTC Arthur AlphinとA-Square LLCがSAAMIに標準化を提案しましたが、レミントンも同様の提案を行い、最終的に.260レミントンとして標準化されました。

6. 5-08実包は、.308ウィンチェスターをネックダウンしたもので、ハンドローダーは7mm-08レミントンや.243ウィンチェスターから薬莢を作成できます。親となる実包が容易に入手できるため、6.5×55mmのような実包の経済的な代替品となります。

ワイルドキャット実包時代には、薬室のばらつきやネックの厚さによる問題がありましたが、標準化によってこれらの問題は解決されました。

設計と仕様

.260レミントンは、.308ウィンチェスターの薬莢を基に、.264口径の弾頭を装着できるようにネックダウンされています。薬莢容量は3.47 mLで、SAAMIとC.I.P.によって設計仕様が策定されています。

SAAMI仕様: 6条、ツイスト9インチの銃身が推奨され、圧力60,000psiでの使用が推奨されます。
* C.I.P.仕様: 最大ピエゾ圧力は415 MPaで、消費者に販売される前に最大圧力の125%で耐力試験を行う必要があります。

性能

.260レミントンは、断面密度と弾頭重量に優れており、120grから140grの弾頭が一般的に使用されます。断面密度が高いため、貫通力が高く、Walter D.M. Bellのような著名なハンターも使用していました。

.260レミントンは、6.5×55mmよりも高い圧力を実現できますが、6.5mmクリードモアと比較すると、クリードモアの方が高い薬室圧力を実現できます。しかし、.260レミントンは6.5x55mmスウェディッシュよりも優れた性能を発揮します。

スポーツにおける利用

.260レミントンは、タクティカル射撃や標的射撃用のライフルに使用され、多くのメーカーがこの実包用のライフルを製造しています。また、メタリック・シルエット射撃でも人気があり、NRA Nation Championshipでも使用されています。

狩猟においては、レイヨウ、ヒツジ、ヤギ、カリブーに対して効果的であり、スウェーデンとフィンランドではヘラジカにも使用されています。ただし、エルクやムースのような大型の獲物にはパワー不足と感じるハンターもいます。

軽めの弾頭を使用することで、ヴァーミントや小型肉食動物のハンティングにも利用できます。

ライフルと装弾

レミントン、ブローニング、サベージ・アームズなど、多くのメーカーが.260レミントン口径のライフルを製造・販売しています。ルイス・マシーン&ツールやティッカも、この口径のライフルを提供しています。

論争

.260レミントンは、元々A-Square CompanyがSAAMIに提出したものでしたが、レミントンが同様の計画を発表し、最終的にレミントンの名前で標準化されました。A-Squareはその後、.260レミントンの販売を停止し、代わりに6.5-06 A-Square実包を製造しています。

まとめ

.260レミントンは、その優れた弾道特性と汎用性から、競技射撃や狩猟において高い評価を得ているライフル実包です。リコイルが少なく、長距離射撃にも適しているため、多くの射手やハンターに支持されています。

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