.32S&Wロング弾

.32 S&Wロング弾について

.32 S&Wロング弾は、アメリカのスミス＆ウェッソン社が設計したリボルバー用弾薬です。この弾薬は、1896年に同社から発売された初の近代的なスイングアウト方式の.32口径リボルバーであるM1ハンドエジェクターに合わせて開発されました。これは、スミス＆ウェッソンが先に開発した.32 S&Wショート弾を基にしており、1886年にコルト社が発表した.32コルト・ニューポリス弾とは、サイズや性能的に非常に近い互換性を持っています。

開発の背景

1890年代のアメリカにおいて、個人防衛や軍事用途のためのリボルバーの需要が高まる中、スミス＆ウェッソン社は新しい弾薬の開発に着手しました。具体的には、.32 S&Wロング弾は、.32コルト・ニューポリス弾と非常に似ているため、どちらも同一のリボルバーで使用できる点が魅力です。弾頭の形状の違いがあり、.32コルト・ニューポリス弾はフラットな先端を、.32 S&Wロング弾はラウンドノーズを特徴としています。

弾薬の特徴

この弾薬は、ストレートタイプの真鍮製薬莢を採用しており、リボルバー用に設計されています。そのため、薬莢の底部にはリムが存在し、発射薬としては最初に黒色火薬が使われました。しかし、その後の技術革新により圧縮黒色火薬へと改良され、さらに近代化されて無煙火薬に進化しました。

使用状況

.32 S&Wロング弾はアメリカにおける.32口径リボルバー用弾薬のスタンダードとなり、長い間広く使用されましたが、2020年現在では実用的な拳銃用弾薬としてはあまり使われていません。それでも、センターファイア・ピストル25m競技という国際的な精密射撃競技では広く利用されています。特にインドでは、IOF .32リボルバーと言われるウェブリーMk IVの短銃身モデルとセットで護身用として使われています。

その他の表記法

この弾薬には複数の表記方法があります。例えば、7.65x24Rmm S&W弾、.32ロングS&W弾、.32S&Wロング・リボルバー弾、そして日常的には.32ポリス弾とも呼ばれています。これらの異なる名称は、主に使用する場所や状況によって変わる場合があります。

関連項目

この弾薬の開発と使用において重要な関連項目にはスミス＆ウェッソン社が挙げられます。同社は団体として、様々な種類の銃器とそれに関連する弾薬を開発・販売しており、その中で.32 S&Wロング弾も非常に重要な位置を占めています。

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