007/サンダーボール作戦 (映画)

『007／サンダーボール作戦』

『007／サンダーボール作戦』は、1965年に公開されたアクションスパイ映画で、ジェームズ・ボンドシリーズの第4作目です。本作は、イアン・フレミングが書いた同名小説を原作としており、ショーン・コネリーが主人公のMI6エージェント、ジェームズ・ボンドを演じています。監督はテレンス・ヤング、脚本はリチャード・メイボームとジョン・ホプキンスが担当しました。

ストーリー概要

この作品は、原子爆弾2発を搭載したNATO空軍のヴァルカン爆撃機が訓練中に行方不明になることから始まります。この爆撃機は犯罪組織「スペクター」に奪われ、その後、彼らはNATOに対して一億ポンド相当のダイヤモンドを要求します。英国秘密情報部は、000要員全員に指令「サンダーボール作戦」を発令し、ボンドはバハマのナッソーへ飛び立ちます。

ボンドは、爆撃機の搭乗者である少佐の妹、ドミノ（クローディーヌ・オージェ）に接触を試みますが、ドミノの後見人は実はスペクターの幹部、エミリオ・ラルゴ（アドルフォ・チェリ）であることが明らかになります。ボンドは、核爆弾を取り戻すために命懸けの捜索を繰り広げます。

主要キャスト

• - ジェームズ・ボンド: ショーン・コネリー
• - ドミノ: クローディーヌ・オージェ
• - エミリオ・ラルゴ: アドルフォ・チェリ
• - フィオナ・ヴォルペ: ルチアナ・パルッツィ
• - ブロフェルド: アンソニー・ドーソン
• - Q: デスモンド・リュウェリン

特徴と影響

本作は、シリーズ初の水中アクションを特徴としており、前作『ゴールドフィンガー』からシリアスなトーンに戻る作品となっています。制作には約900万ドルが投じられ、興行的には1億4120万ドルを記録。これは1965年の映画の中で『サウンド・オブ・ミュージック』に次ぐ高成績であり、シリーズ史上でも最高の興行収入に相当します。また、アカデミー賞で視覚効果賞を受賞しました。

本作はまた、特に撮影においてパナビジョンサイズが使われた初の作品でもあり、その映像美は多くの観客に評価されました。

音楽と主題歌

主題歌は当初、シャーリー・バッシーによる「Mr. Kiss-Kiss Bang-Bang」が予定されていましたが、プロデューサーの不安から新たに「Thunderball」をトム・ジョーンズの歌声で録音することとなりました。この曲は、トム・ジョーンズが高音を無理に出し切った結果、スタジオで気を失うというエピソードもあり、後に知られることとなります。

公開と興行

本作は1965年12月9日に東京の日比谷映画劇場で初公開され、その後イギリスで公開されました。アメリカでは6,360万ドルを記録し、全世界では1億4120万ドルに達するなど、大ヒットを記録しました。日本では1965年12月11日から公開され、当時としては珍しい全世界一斉プレミア上映が行われました。

著作権問題

『サンダーボール作戦』には複雑な著作権問題が絡み合っています。共同執筆者のケヴィン・マクローリーとジャック・ウィッティンガムは、原作の映画化権について訴訟を起こしました。最終的には和解が成立し、以後、映画の制作に関する権利が整理されることとなります。この一連の問題は、映画シリーズにおけるスペクターやブロフェルドの登場にも影響を及ぼしました。

結論

『007／サンダーボール作戦』は、007シリーズの中でも非常に重要な作品であり、アクション、プロットの緊張感、そして映像美が融合した傑作であると言えます。観客に強烈な印象を与える映画として、今なお多くのファンに愛されています。

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