007/死ぬのは奴らだ (映画)

映画『007/死ぬのは奴らだ』の概要

『007/死ぬのは奴らだ』（Live And Let Die）は、1973年に公開されたスパイアクション映画で、イアン・フレミングの小説を原作としています。この作品は、映画「ジェームズ・ボンド」シリーズの第8作目であり、今作からロジャー・ムーアが3代目のジェームズ・ボンドとしてデビューします。

ロジャー・ムーアのバンド役

ロジャー・ムーアは、前作でしばしの復帰を果たしたショーン・コネリーの後を引き継ぐ形でボンド役に任命されました。彼は、過去にシリーズ第1作『ドクター・ノオ』の際にもオファーを受けましたが、その時はスケジュールの都合で断っていました。10年後、46歳でようやくボンド役としてのチャンスを掴んだのです。ムーアの演じるボンドはコネリー時代に比べて、より軽快でユーモラスなキャラクターへと変化し、ジョークが頻繁に挿入されるスタイルが特徴となりました。

ストーリー内容

物語は、カリブ海に位置するサン・モニークという島国を舞台にしています。イギリスの情報部員が相次いで殺害され、その捜査のためにボンドはアメリカに飛び立ちます。現地でフィリックス・ライターと共に、首相であるDr.カナンガのもとへ向かいます。カナンガは、裏でハーレムの麻薬王「Mr.ビッグ」として活動し、麻薬を無料で配布することでアメリカ国内の麻薬中毒患者を増やそうとしていました。それにより後に麻薬の価格を吊り上げ、大きな利益を狙っているのです。ボンドは、カナンガの手下にしてタロットカードを使った謎の美女ソリテアから情報を得るために、サン・モニークへ入り込みます。

特徴的なキャスト

この映画には多彩なキャストが揃っています。ロジャー・ムーアが演じるジェームズ・ボンドの他に、ヤフェット・コットーがDr.カナンガとMr.ビッグを演じ、ジェーン・シーモアは魅力的なボンドガールであるソリテアを演じます。また、グロリア・ヘンドリー、デヴィッド・ヘディソンなど、優れた俳優陣が作品を盛り上げています。

音楽と主題歌

映画の音楽は、ジョージ・マーティンによって制作され、映像をさらに引き立てる役割を果たしています。主題歌には、ポール・マッカートニーとウィングスによる同名の曲が起用され、全英シングルチャートで9位、ビルボードHot 100で2位を記録しました。007シリーズにおいて、主題歌が英米両方のチャートでトップ10入りしたのはこの曲が初めてのことでした。

興行成績と影響

『007/死ぬのは奴らだ』は1973年の映画の世界興行成績で第3位に位置し、日本では外国映画配給収入の第2位となる注目の作品となりました。この映画は、ロジャー・ムーアのボンドとしての道を開くと同時に、シリーズの新たな方向性を提示した作品でもあります。

この映画は、スリリングなプロット、ユーモアたっぷりの演出、ビジュアルの美しさが合わさり、今なおファンに愛される名作としての地位を築いています。ボンドの冒険は、この作品から始まったとも言えるのです。

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