035型潜水艦

035型潜水艦

035型潜水艦（中国語: 035型潛艇）は、中国人民解放軍海軍が運用する攻撃型の潜水艦艦級で、NATOコードネームは明型（英: Ming-class）です。この艦級は、旧ソ連の633型潜水艦（ロメオ型）を基盤にした発展型であり、1971年から2002年にかけて合計22隻が建造されました。

設計

035型は基本的に033型（ロメオ型）の設計を引き継いでいますが、水中での速度向上を目的とした微調整が施されています。また、主機関も強化されているため、性能が向上しています。ロメオ型ではセイルの上部が前方に張り出していたのに対し、本型の特色は下部が張り出していることです。

最初の2隻は1975年に進水し、3隻目は1982年に進水しました。その後、建造は一時途絶えましたが、1988年頃から改良型の035A/G型（明改-I型）の建造が再開されました。新たに342号艦や352〜354号艦、356〜363号艦等が建造されました。さらに、後続艦である039型（宋型）の開発に難航したため、035型の3番目の改良型である035B型（明改-II型）も製造され、合計9隻（305〜313号艦）が建造されました。

035B型では艦体が2メートル延長され、フリーフラッド・ホールが再設計され、水中での放射雑音の低減が図られました。さらに水中吸音材も後日装備され、これにより静音性が向上しました。また、035B型にはDUUX-5（タレス社TSM-2255「フェネロン」）側面アレイ・ソナーや、一部にはAIP（Air Independent Propulsion）機関も搭載されているとの推測があります。

配備

初期の建造艦のうち、1隻は火災によって失われました。2003年4月には361号艦が訓練中に事故を起こし、一酸化炭素中毒で乗員70名全員が死亡する悲劇が発生しました。ただし、船体は回収され、翌年に現役復帰を果たしました。2005年5月26日にも本型の1隻が火災事故を起こし、航行不能となりましたが、その艦は曳航されて帰港しました。

356号艦と357号艦については、バングラデシュへ売却され、再就役しました。2017年3月12日、バングラデシュのSheikh Hasina首相による式典で、これらの艦はそれぞれBNS NabajatraおよびBNS Joyjatraと名付けられました。

まとめ

035型潜水艦は、その独特な設計と性能向上に貢献した改良点で知られ、長い間中国の潜水艦艦隊の重要な一翼を担ってきました。建造や運用においていくつかの悲劇もありましたが、現在もその存在感を示しています。

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