10万分の1

漫画『10万分の1』について

『10万分の1』は、日本の少女漫画作品で、宮坂香帆が手掛けました。本作は2015年10月号から2018年10月号まで『Cheese!』で連載され、2021年3月時点で累計発行部数が120万部を超える人気を誇ります。この作品は、前作『あかいいと』のキャラクターを引き継ぎ、桜木莉乃と桐谷レンを中心に展開されます。

あらすじ

物語は、紫上学園の2年生である桜木莉乃の視点から描かれます。彼女は普通の女子高生で、クラスメイトの桐谷レンに恋をしています。しかし、過去の初恋の男子に傷を馬鹿にされた経験から、莉乃は彼に自分の気持ちを伝える勇気を持てずにいます。そんな中、桐谷との距離が縮まり、彼女はついに告白。驚くことに、桐谷も彼女に告白し、二人は恋人同士になります。

しかし、彼女の日常は平坦ではありません。クラスの女子からのいじめや、莉乃に片思いしていた後輩の裕人が剣道部に入部し、莉乃に猛烈にアプローチをするなど、さまざまな波乱が展開します。そんな幸せな日々の最中に、莉乃は突然足の異常を感じ、病院に行くと安心するも、その後も体調に変化が現れます。最終的にALSという病気の可能性が浮上し、彼女は恐怖と不安から死の選択を考えてしまうほどです。

しかし、恋人の桐谷や周囲の人々からの深い愛情に影響を受け、莉乃は生きることを決意します。ALSと診断される中でも、彼女は桐谷との関係を大切にし、自身の未来を模索します。物語は、莉乃と桐谷の深い絆を描きつつ、彼女が抱える身体的な不安や悩みを克服していく様子を描写しています。特に、後夜祭の場面では、彼らは運命の瞬間を迎えます。

やがて、莉乃は車椅子生活を余儀なくされ、自由な行動が難しくなります。彼女は桐谷に負担をかけていることを気にし、別れを告げる決断をしますが、逆に桐谷から真剣なプロポーズに至ります。このような展開は、愛の力を感じさせ、読者に感動を与えます。

登場人物

1. 桜木 莉乃 - 主人公。紫上学園2年生で普通の女子高生。
2. 桐谷 蓮 - 莉乃の恋人、剣道部主将。
3. 橘 千紘 - 莉乃の親友で剣道部マネージャー。
4. 比名瀬 祥 - 桐谷の剣道部の仲間。
5. 橘 裕人 - 千紘の弟で莉乃に片思いしている。

書誌情報

本作は小学館から全9巻で出版されており、2016年から2018年にかけて刊行されました。その後、2020年11月27日に実写映画として公開され、多くの話題を呼びました。映画版でも原作のストーリーを忠実に再現し、キャストには白濱亜嵐や平祐奈が起用されています。

映画

映画版『10万分の1』は、三木康一郎監督の下で制作され、映画祭にも出品された話題作です。主題歌はGENERATIONS from EXILE TRIBEの「Star Traveling」が用いられ、一層の感動を呼び起こしています。

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『10万分の1』は、ただの恋愛物語にとどまらず、病気との戦いや愛の本質を描く深い作品として多くの読者の心をつかんでいます。

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