11人のカウボーイ

映画『11人のカウボーイ』解説

『11人のカウボーイ』（原題：The Cowboys）は、1971年にワーナー・ブラザースが製作・公開したアメリカの西部劇映画です。ウィリアム・デール・ジェニングスの同名小説を基に、ベテラン監督マーク・ライデルがメガホンを取りました。

あらすじ

舞台は西部開拓時代。牧場主ウィル・アンダーセン（ジョン・ウェイン）は、1500頭もの牛を400マイル先の町まで移動させる必要に迫られます。しかし、近隣で金鉱が発見された影響で、カウボーイたちは一攫千金を夢見てそちらへ行ってしまい、人手不足に悩むウィル。

そこで友人の勧めで、ウィルは仕方なく地元の少年たちを雇うことにします。最初は頼りなく思ったものの、少年たちの熱意に打たれ、カウボーイとしての訓練を施し、共に旅に出ることを決意します。

過酷な旅の中で、少年たちはウィルや料理人のナイトリンガー（ロスコー・リー・ブラウン）から多くを学び、成長していきます。しかし、道中、悪党ワッツ（ブルース・ダーン）一味に襲われ、ウィルは非業の死を遂げてしまいます。

ウィルの遺志を継ぎ、少年たちはワッツ一味に立ち向かうことを決意。知恵と勇気を振り絞り、見事に牛を取り戻し、ベルフーシュの町へと送り届けることに成功します。そして、ウィルのために墓標を立て、故郷へと帰っていくのでした。

作品の魅力

本作の魅力は、何と言ってもジョン・ウェイン演じる主人公ウィルの存在感です。頑固で厳しいながらも、少年たちを温かく見守る姿は、観る者の心を打ちます。また、少年たちが困難を乗り越え、成長していく姿も感動的です。

さらに、ジョン・ウェインが物語途中で殺されてしまうという、異例の展開も話題となりました。それまでの西部劇のヒーロー像を覆すような展開は、観客に大きな衝撃を与えました。

音楽は、巨匠ジョン・ウィリアムズが担当。壮大な音楽が、物語をさらに盛り上げています。

キャスト

ウィル・アンダーセン：ジョン・ウェイン
ナイトリンガー：ロスコー・リー・ブラウン
ワッツ：ブルース・ダーン
シマロン：A・マルティネス
スリム：ロバート・キャラダイン

スタッフ

監督：マーク・ライデル
原作：ウィリアム・デール・ジェニングス
脚本：アーヴィング・ラヴェッチ、ハリエット・フランク Jr. 、ウィリアム・デール・ジェニングス
撮影：ロバート・サーティース
音楽：ジョン・ウィリアムズ

映画が描くもの

『11人のカウボーイ』は、単なる西部劇としてだけでなく、世代間の交流や、少年たちの成長を描いたヒューマンドラマとしても評価されています。西部開拓時代を舞台に、人間の強さや優しさを描いた本作は、多くの人々に感動を与え続けています。

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