1122 いいふうふ

7年間の歳月と、すれ違う心――漫画『1122』とドラマ『1122 いいふうふ』の世界

渡辺ペコ氏による漫画作品『1122』（いいふうふ）は、2016年から2020年にかけて『月刊モーニングtwo』で連載された作品です。結婚7年目を迎えたウェブデザイナーの一子と、文具メーカー勤務の二也という夫婦の日常を描いた物語は、多くの読者の共感を呼びました。

本作は、一見幸せに見える夫婦の一子と二也が、実は深刻なセックスレス状態にあることを軸に物語が展開します。7年間の結婚生活の中で、互いの気持ちのすれ違いや、日常の些細な摩擦が積み重なり、二人の距離は次第に広がっていきます。

物語は、一子と二也の夫婦関係を中心に展開しますが、同時に、彼らの周囲の人物たちの物語も丁寧に描かれています。一子の親友や、二也の職場仲間、そして、二也が不倫関係に陥る女性など、多様な登場人物を通して、現代社会における人間関係の複雑さや、それぞれの抱える問題が浮き彫りになります。

特に印象的なのは、二也が知り合った柏木美月という女性との関係です。美月は、一見完璧に見える専業主婦ですが、夫である志朗との間にも、様々な問題を抱えています。二也と美月の関係は、単なる不倫にとどまらず、それぞれの孤独や心の傷を癒すための、複雑な感情の絡み合いとして描かれています。

『1122』の魅力は、登場人物たちの感情を繊細に描き出す渡辺ペコ氏の作風にあります。登場人物たちの心の機微や、複雑な人間関係が丁寧に描かれることで、読者は彼らの人生に深く共感し、考えさせられることでしょう。

2024年6月には、この漫画作品を原作としたドラマ『1122 いいふうふ』がAmazon Prime Videoで世界独占配信されました。高畑充希と岡田将生という実力派俳優陣が主演を務め、漫画の世界観を見事に再現した映像作品となっています。

ドラマ版では、漫画版で描かれた一子と二也のすれ違いや、周囲の人々の複雑な人間関係が、よりリアルに、そして深く描かれています。高畑充希と岡田将生の繊細な演技は、視聴者の感情を揺さぶり、物語に引き込む力を持っています。また、豪華な脇役陣の演技も、ドラマ全体の質を高めています。

キャストには、西野七瀬、高良健吾、千葉惣二朗ら実力派俳優が名を連ね、それぞれが複雑な人間模様を演じ切っています。

原作漫画とドラマ版『1122 いいふうふ』は、結婚や夫婦関係、そして現代社会における人間関係について深く考えさせられる作品です。結婚7年目の夫婦のリアルな姿を通して、幸せとは何か、そして人間関係の難しさについて改めて考えさせられる、そんな作品と言えるでしょう。

ドラマ『1122 いいふうふ』は、単なる恋愛ドラマや不倫ドラマではなく、現代社会における人間関係の複雑さや、それぞれの抱える問題を丁寧に描いた、より深く考えさせられる作品となっています。原作漫画とあわせて、ぜひ鑑賞してみてはいかがでしょうか。

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