15×24

15×24（イチゴーニイヨン）

新城カズマによるライトノベル『15×24』は、集英社スーパーダッシュ文庫から刊行された作品です。イラストは箸井地図が担当。

本の雑誌が選ぶ2009年度文庫ベストテンでは7位にランクインし、韓国語版も翻訳され、2012年12月に発売されました。

あらすじ

物語は2005年の大晦日、東京で幕を開けます。主人公の少年は、自殺サイトで知り合った「17」とともに命を絶とうとしていました。しかし、連絡手段である携帯電話が盗まれてしまい、事態は急転します。盗まれた携帯電話から送信された自殺予告メールが、17歳の少年少女たちに転送され、彼らはそれぞれの理由から少年を探し始めます。一方、自殺予告メールはインターネットを通じて拡散し、暴力団をも巻き込む騒動へと発展していきます。

登場人物

本作は、複数の視点から物語が語られる群像劇の形式をとっています。以下に主な登場人物を紹介します。

少年少女たち

徳永準（とくなが じゅん）：物語の中心人物の一人。私立成風館高校2年生。現実に絶望し、「17」と共に自殺を企てる。
伊隅賢治（いすみ けんじ）：私立成風館高校2年生。人間の「死」に美を感じるという特異な嗜好を持ち、徳永と「17」の心中計画を観察しようと尾行する。
在所惟信（ざいしょ よしのぶ）：私立成風館高校2年生。製薬会社社長の息子。オサリバン・愛のファン。
笹浦耕（ささうら こう）：私立成風館高校2年生。クリスチャン。「去る者は追わず」を信条とする。高遠しのぶに依頼され、徳永の自殺を止めようとする。
温井川聖美（ぬくいがわ さとみ）：私立成風館高校2年生。祖母の容態悪化で病院へ向かう途中にメールを受信する。自身の高身長と妹に対してコンプレックスを抱いている。
枯野透（からの とおる）：都立九段高校2年生。困っている人を放っておけないお人好し。美少年で、渡部亜希穂に惚れられている。
渡部亜希穂（わたべ あきほ）：都立八王子西高校2年生。万引きの常習犯で、徳永の携帯を盗む。騒動の中で枯野に一目惚れする。
西満里衣（にし まりえ）：茨城県在住。小学4年生の時の事故で車椅子生活を送っている。
左右田正義（そうだ まさよし）：都立星が岡高校2年生。過剰な正義感を持つが、独善的な一面も。
折口歩乃果（おりぐち ほのか）：有名私立高校2年生。中学時代はいじめられていた。徳永に片思いをしており、彼の自殺を助けようとする。
藤堂真澄（とうどう ますみ）：道場主の孫で、池袋の自警団リーダー。警視庁にも顔が利く。
三橋翔太（みつはし しょうた）：暴力団員を刺して逃走中。コンビニ強盗も働く。
私市陶子（きさいち とうこ）：高校教師と結婚した17歳の妊婦。
オサリバン・愛（おさりばん まな）：日本人とアイルランド人のハーフ。グラビアアイドル。自殺予告メールについてインターネットテレビで語る。
17：インターネット上にのみ姿を現す謎の人物。徳永と共に自殺を計画している。

その他の登場人物

物語には、上記以外にも様々な人物が登場し、複雑な人間関係を織りなしていきます。暴力団員、大学生、刑事、ネズミ講、ホームレス、自警団、双子、大学教授など、多種多様なキャラクターが物語を彩ります。

ファブリ: 大阪から来た暴力団風の男
高遠しのぶ（たかとお しのぶ）: 笹浦の恋人の大学生
馬橋: 事件に関わる警部補

コミカライズ

本書のイラストレーターである箸井地図によって、『スーパーダッシュ&ゴー!』2013年4月号でコミカライズ版が掲載されました。

既刊一覧

1. 15×24 linkone せめて明日まで、と彼女は言った
2. 15×24 linktwo 大人はわかっちゃくれない
3. 15×24 linkthree ――裏切者！
4. 15×24 linkfour Riders of the Mark City
5. 15×24 linkfive ロジカルなソウル/ソウルフルなロジック
6. 15×24 linksix この世でたった3つの、ほんとうのこと

外部リンク

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