15・ビッグ・ワンズ

『15・ビッグ・ワンズ』（15 Big Ones）は、ザ・ビーチ・ボーイズが1976年にリリースしたアルバムです。日本盤発売当初の邦題は『偉大なる15年』でした。

このアルバムは、ビーチ・ボーイズにとって3年ぶりのスタジオ録音による新作であり、「ブライアン・イズ・バック」というキャッチフレーズで大々的に宣伝されました。ブライアン・ウィルソンにとっては、『ペット・サウンズ』以来のプロデュース作として、大きな期待が寄せられました。

1970年代のビーチ・ボーイズのアルバムは、ほとんどがオリジナル曲で構成されていましたが、本作では収録曲の半分以上がカバー曲で占められているのが特徴です。チャック・ベリーの「ロック・アンド・ロール・ミュージック」や、フィル・スペクターがプロデュースした「チャペル・オブ・ラヴ」など、往年のヒット曲がビーチ・ボーイズならではのアレンジで蘇っています。

1975年当時、ビーチ・ボーイズはツアー・バンドとして活動を続けていましたが、ブライアン・ウィルソンの精神状態は依然として不安定で、過食症や薬物乱用が続いていました。そのため、バンドとしての活動はほとんど行えない状態でした。そんな中、精神科医のユージン・ランディがブライアンのリハビリを担当することになり、ランディの献身的なサポートによって、ブライアンは徐々に回復していきました。

収録曲

1. ロック・アンド・ロール・ミュージック - Rock And Roll Music (Chuck Berry)
2. イッツ・OK - It's OK (Brian Wilson / Mike Love)
3. ハド・トゥ・フォーン・ヤ - Had To Phone Ya (Brian Wilson / Mike Love / Diane Rovell)
4. チャペル・オブ・ラヴ - Chapel Of Love (Jeff Barry / Ellie Greenwich / Phil Spector)
5. エヴリワンズ・イン・ラヴ・ウィズ・ユー - Everyone's In Love With You (Mike Love)
6. トーク・トゥ・ミー - Talk To Me (J. Seneca)
7. ザット・セイム・ソング - That Same Song (Brian Wilson / Mike Love)
8. TMソング - TM Song (Brian Wilson)
9. パリセイズ・パーク - Palisades Park (C. Barris)
10. スージー・シンシナティ - Susie Cincinnati (Al Jardine)
11. カジュアル・ルック - A Casual Look (E. Wells)
12. ブルーベリー・ヒル - Blueberry Hill (A. Lewis / L. Stock / V. Rose)
13. バック・ホーム - Back Home (Brian Wilson / Bob Norberg)
14. イン・ザ・スティル・オブ・ザ・ナイト - In The Still Of The Night (F. Parris)
15. ジャスト・ワンス・イン・マイ・ライフ - Just Once In My Life (Gerry Goffin / Carole King / Phil Spector)

このアルバムは、ブライアン・ウィルソンの復活を印象づけるとともに、ビーチ・ボーイズの新たな方向性を示す作品となりました。

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