1740年4月8日の海戦

1740年4月8日の海戦：プリンセサ号拿捕の顛末

1740年4月8日、ジェンキンスの耳の戦争において、スペインの64門艦プリンセサ号と、コルヴィル・メイン艦長率いるイギリス艦隊（70門艦ケント、レノックス、オーフォード）の間で激しい海戦が繰り広げられました。

背景

イギリス海軍本部は、1740年3月25日、ブエノスアイレスからスペインへ向かうスペイン船2隻の情報を入手。ポーツマスに停泊していたケント、レノックス、オーフォードからなる小艦隊に迎撃命令を下しました。サー・ジョン・バルチンの艦隊に所属するこの小艦隊は、リッポンとセント・オールバンズの2隻と合流予定でしたが、悪天候により合流できず、メイン艦長の小艦隊は単独でスペイン船の捜索を開始しました。

4月8日、メイン艦長の小艦隊がリザード岬から南西300マイルの海域を巡航中、北方に船影を発見。追跡した結果、ドン・パルロ・アグスティーノ・デ・ゲラ艦長率いるスペインのプリンセサ号であることが判明しました。

戦闘の経過

イギリス艦隊が追跡を開始すると、プリンセサ号は当初掲げていたフランス国旗を降ろし、スペイン国旗を掲揚。メイン艦長は乗組員に対し、「祖国からの給与を受け取る以上、祖国のためにあらゆる危険に立ち向かう義務がある。今こそ試練の時だ。勇敢に戦え、勇気こそが頼りだ」と訓示し、士気を高めました。

約2時間半の追跡の末、イギリス艦隊はプリンセサ号に追いつき、砲撃戦を開始。プリンセサ号は激しい抵抗を試みましたが、やがて航行不能に陥りました。しかし、イギリス艦隊はプリンセサ号が降伏するまで砲撃を継続。最終的にプリンセサ号は拿捕されました。

両軍の損害は、プリンセサ号が戦死33名、負傷約100名。イギリス艦隊は、ケントが戦死8名、オーフォードが戦死8名、レノックスが戦死1名、負傷者合計40名（ケントのデュレル艦長も負傷し片腕を失った）という結果になりました。

スペイン側の記録によると、プリンセサ号は戦闘以前からすでに損傷を抱えていたとされています。3隻のイギリス艦に追跡されながらも6時間もの間、勇敢に戦い続けたと主張しています。レノックスに大きな損傷を与え、ケントを一時的に退けたものの、最終的には3隻目の敵艦に屈し降伏しました。スペイン側の損害は、戦死70名、負傷80名と記録されています。

その後

拿捕されたプリンセサ号は、ポーツマスに曳航され、修理を受けました。イギリス海軍本部は1741年4月21日にプリンセサ号の購入を決定。7月14日に5,418ポンドで購入しました。1741年7月から1742年3月にかけて36,007ポンドをかけた大規模な改修が行われました。

プリンセサ号が同等の戦艦3隻に対し勇敢に抵抗したことは、当時大きな賞賛を集めました。同時代の記録によると、プリンセサ号は当時のイギリス1等艦よりも大きく、通常よりも大型の大砲を搭載しており、その多くが真鍮製であったと伝えられています。スペイン海軍最良の戦艦と評され、船体が高かったため、状況によっては敵艦が同様の行動を取れない場合でも、下部の砲を射撃することが可能でした。

プリンセサ号は「プリンセス（Princess）」と改名され、その後もイギリス海軍で活躍。1784年12月30日にポーツマスで解体のため売却されるまで、その名を歴史に刻みました。

まとめ

1740年4月8日の海戦は、ジェンキンスの耳の戦争における一 эпизодысにすぎませんが、プリンセサ号の拿捕はイギリス海軍にとって大きな戦果となりました。プリンセサ号は、その後のイギリス海軍の戦力増強に貢献し、その武勇は長く語り継がれることとなりました。

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