1785年の相撲

1785年の相撲界：不況の中での興行

1785年は、日本全国が不景気に覆われた年であり、その影響は相撲界にも及ぶこととなりました。この年、江戸相撲と京都相撲は、いずれも本場所を開催することができませんでした。これは、相撲の歴史においても稀な出来事であり、当時の社会情勢の厳しさを物語っています。

江戸相撲と京都相撲の本場所中止

全国的な不況により、江戸相撲と京都相撲は本場所の開催を見送らざるを得ませんでした。これは、相撲興行が経済状況に大きく左右されることを示しており、当時の社会情勢が相撲界に与えた影響の大きさを物語っています。

大坂相撲の興行

一方、大坂相撲では、難波新地において8月場所が開催されました。興行は9月8日（旧暦8月5日）から始まり、多くの相撲ファンで賑わったことでしょう。この大坂相撲の興行は、不況下においても相撲への関心が根強いことを示すとともに、地域によって相撲の状況が異なることを示唆しています。

江戸での中相撲

江戸では、本場所こそ開催されなかったものの、市ヶ谷において中相撲が行われました。これは、本場所の代わりとして、相撲ファンへのサービスとして行われたものと考えられます。中相撲は、本場所と比べて規模は小さいものの、力士たちの熱い戦いを間近に見ることができる貴重な機会でした。

まとめ

1785年の相撲界は、全国的な不況という困難な状況に直面しましたが、その中でも大坂相撲の興行や江戸での中相撲開催など、相撲への熱意が感じられる出来事がありました。この年は、相撲界が社会情勢に大きく影響を受けることを示すとともに、地域によって相撲の状況が異なることを示した特異な年と言えるでしょう。

参考文献

* 酒井忠正『日本相撲史 上巻』ベースボール・マガジン社、1956年6月1日。

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