1792年の相撲

1792年の相撲界の動向

1792年（寛政4年）の相撲界における主な出来事をまとめたものです。この年は、江戸相撲と大坂相撲を中心に、複数の興行が開催されました。各場所の日程、開催場所、そしてその特徴について詳しく見ていきましょう。

江戸相撲

3月場所

場所: 神田明神御社内
日程: 5月14日（旧3月24日）より、晴天10日間興行

この場所は、神田明神の境内という神聖な場所で行われました。春の穏やかな気候の中、10日間の興行が行われる予定でしたが、天候に恵まれたかどうかは記録には残っていません。しかし、江戸の町衆にとっては、春の訪れとともに楽しみにしていた一大イベントであったことは想像に難くありません。

11月場所

場所: 蔵前八幡宮境内
日程: 12月27日（旧11月14日）より、晴天10日間興行

11月場所は、蔵前八幡宮の境内で開催されました。12月下旬という冬の時期の開催であり、寒さ厳しい中での興行となりました。当初は10日間興行が予定されていましたが、残念ながら、雨雪が激しく降り続いたため、3日目で打ち上げとなりました。この時期の天候の厳しさを物語るエピソードと言えるでしょう。

大坂相撲

7月場所

場所: 難波新地
日程: 9月1日（旧7月15日）より興行

大坂相撲は、難波新地で開催されました。旧暦の7月15日から開催されたこの場所は、夏の暑さが残る時期での興行となりました。当時の大坂の人々にとっても、夏の終わりを告げる風物詩として楽しまれたことでしょう。

総括

1792年の相撲界は、江戸と大坂でそれぞれ特徴のある興行が展開されました。江戸相撲は、神田明神や蔵前八幡宮といった神社境内で行われ、地域の人々の生活と密接に結びついていたことがうかがえます。一方、大坂相撲は難波新地という場所で行われ、都市部での娯楽としての側面が強かったと考えられます。また、11月場所のように、天候によっては興行が中断されることもあり、自然の影響を大きく受けていたことがわかります。この年の相撲界の出来事は、当時の人々の生活や文化を理解する上で、貴重な資料となるでしょう。

参考文献

* 酒井忠正『日本相撲史 上巻』ベースボール・マガジン社、1956年6月1日。

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