1800年の相撲

1800年の相撲界の動向

1800年（寛政12年）の相撲界では、江戸相撲と大坂相撲がそれぞれ興行を行いました。この年の相撲界の主な出来事について、以下に詳細を記述します。

江戸相撲

4月場所

興行場所: 浅草蔵前八幡宮境内
日程: 5月14日（旧暦4月21日）より、晴天10日間を予定
内容: 5日目で打ち止めとなりました。

4月場所は、浅草の蔵前八幡宮境内で行われました。この場所は、現在の東京都台東区に位置し、江戸時代から相撲興行が行われてきた歴史ある場所です。興行は旧暦の4月21日から開始され、晴天が続けば10日間行われる予定でしたが、実際には5日目で打ち切りとなっています。打ち切りの理由については、詳しい記録が残っていないため不明です。

10月場所

興行場所: 朝倉蔵前八幡宮社内
日程: 12月11日（旧暦10月25日）より、晴天10日間を予定
内容: 詳細は不明

10月場所も同じく蔵前八幡宮社内で行われました。旧暦の10月25日から開始され、こちらも晴天10日間を予定していましたが、具体的な内容については詳細な記録が残っていません。しかし、江戸相撲が年に複数回開催されていたことがわかります。

大坂相撲

4月場所

興行場所: 難波新地
日程: 7月7日（旧暦5月16日）より興行
内容: 江戸相撲との時期重複を避けるため、5月まで延期

大坂相撲の4月場所は、難波新地で開催されました。難波新地は、現在の大阪市中央区に位置する場所で、当時から商業の中心地として栄えていました。本来であれば4月に開催される予定でしたが、江戸相撲の4月場所と時期が重なったため、旧暦の5月16日まで延期されました。このことから、当時の相撲興行が地域間で調整されていたことが伺えます。

まとめ

1800年の相撲界は、江戸と大坂でそれぞれ興行が行われ、地域ごとに異なる日程や場所で開催されていたことがわかります。特に、江戸相撲では浅草の蔵前八幡宮が主要な興行場所となっており、大坂相撲では難波新地が用いられていました。また、江戸相撲の4月場所では、予定された10日間を全うできず、5日目で打ち切りとなったことが記録されています。大坂相撲の4月場所は、江戸相撲との日程調整のために延期されたという記録から、当時の相撲興行が地域間の事情を考慮して行われていたことがわかります。これらの記録は、当時の相撲文化や興行のあり方を理解する上で貴重な資料と言えるでしょう。

参考文献

酒井忠正『日本相撲史 上巻』ベースボール・マガジン社、1956年6月1日。

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