1805年の相撲

1805年の相撲界：め組の喧嘩と興行の動向

1805年（文化2年）の相撲界は、江戸相撲における未曽有の事件「め組の喧嘩」による場所中断という激動に見舞われました。この事件は、当時の社会情勢や相撲興行に大きな影響を与え、その後の相撲界のあり方にも一石を投じることとなりました。

め組の喧嘩と場所中断

1805年2月場所の最中、3月16日（旧暦2月16日）に、江戸の町火消し「め組」と力士の間で大規模な喧嘩が発生しました。この「め組の喧嘩」は、単なる乱闘騒ぎにとどまらず、社会問題として大きく取り上げられる事態となりました。その結果、2月場所は2ヶ月間という異例の長期中断を余儀なくされました。当時の相撲興行が、社会情勢の影響を直接的に受けていたことを示す出来事と言えるでしょう。

1805年の興行

1805年には、江戸と大坂でそれぞれ相撲興行が開催されました。以下に、それぞれの場所の詳細をまとめます。

2月場所（江戸相撲）

興行場所: 芝神明宮社内
日程: 3月5日（旧暦2月5日）より晴天10日間
特記事項: め組の喧嘩により場所が中断

2月場所は、芝神明宮の境内で開催されました。しかし、前述の通り、め組の喧嘩という不測の事態により、興行は途中で中断されるという、異例の事態となりました。

5月場所（大坂相撲）

興行場所: 難波新地

5月場所は大坂の難波新地にて開催されました。大坂相撲は、江戸相撲とは異なる独自の文化を持っており、この場所も盛況のうちに幕を閉じたと考えられます。

10月場所（江戸相撲）

興行場所: 本所回向院
日程: 12月8日（旧暦10月18日）より晴天10日間

10月場所は、本所回向院にて開催されました。この場所は、中断された2月場所の代替として開催されたのか、または予定通り開催されたのかは不明ですが、江戸相撲の年間スケジュールを消化するために重要な場所であったと考えられます。

まとめ

1805年の相撲界は、め組の喧嘩による場所中断という大きな出来事に見舞われた一方で、江戸と大坂でそれぞれの相撲興行が行われ、相撲文化が力強く根付いていたことを示しています。この年の出来事は、相撲が単なる興行としてだけでなく、当時の社会情勢と密接に関わっていたことを示す好例と言えるでしょう。

参考文献

* 酒井忠正『日本相撲史 上巻』ベースボール・マガジン社、1956年6月1日。

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