1808年の相撲

1808年の相撲界の動向

1808年は、江戸と大坂を中心に相撲興行が盛んに行われた年でした。この年の相撲界の主な出来事を以下にまとめます。

江戸相撲

3月場所は、本所回向院を舞台に開催されました。旧暦3月15日（新暦4月10日）から、晴天に恵まれた10日間興行として行われました。江戸相撲は、当時の庶民にとって重要な娯楽であり、多くの観客が詰めかけたと推測されます。

また、10月場所も本所回向院で開催されました。旧暦10月25日（新暦12月12日）から、こちらも晴天に恵まれた10日間、熱戦が繰り広げられました。この時期の江戸相撲は、年末の賑わいとともに、人々の関心を集めたことでしょう。

大坂相撲

7月場所は、難波新地を興行場所として開催されました。大坂相撲は、江戸相撲とは異なる独自の文化を持ち、この時期の大阪の活気を象徴するものでした。大坂の商人たちも、相撲を重要な娯楽として楽しんでいたことが伺えます。

台覧相撲

特筆すべき出来事として、右大臣一条忠良による台覧相撲が挙げられます。旧暦7月28日（新暦9月18日）に行われたこの台覧相撲は、相撲が単なる娯楽としてだけでなく、公的な行事としても重要視されていたことを示しています。一条忠良のような高位の人物が観覧することで、相撲の社会的地位も高まったと考えられます。

まとめ

1808年の相撲界は、江戸と大坂という二つの中心地で活発な動きを見せました。それぞれの地域で特徴的な興行が行われ、多くの人々が相撲を楽しんだことがわかります。また、台覧相撲の実施は、相撲が社会的に重要な位置を占めていたことを示唆しています。これらの出来事は、当時の文化や社会情勢を理解する上で重要な手がかりとなります。



参考文献
* 酒井忠正『日本相撲史 上巻』ベースボール・マガジン社、1956年6月1日。

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