1829年の相撲

1829年（文政12年）の相撲界は、激動の一年でした。この年、江戸、大坂、京都の各地で相撲興行が開催されましたが、特に江戸相撲においては、文政の大火という未曾有の災害に見舞われ、興行が中断されるという事態が発生しました。

1829年の主な出来事

文政の大火と江戸相撲の打ち切り: 4月24日（旧暦3月21日）に発生した文政の大火は、江戸の街に甚大な被害をもたらしました。この大火の影響により、当時開催中であった江戸相撲2月場所は、7日目にしてやむなく打ち切りとなりました。この災害は、相撲界にも大きな影響を与え、当時の人々の生活にも深刻な影を落としました。

1829年の相撲興行

2月場所（江戸相撲）:
場所：本所回向院
日程：3月11日（旧暦2月7日）より10日間（晴天の場合）
結果：文政の大火により7日目で打ち切り

7月場所（大坂相撲）:
場所：難波新地
日程：8月23日（旧暦7月23日）より興行

8月場所（京都相撲）:
場所：四条河原
日程：晴天10日間興行

9月場所（大坂相撲）:
場所：難波新地

10月場所（江戸相撲）:
場所：本所回向院
日程：11月18日（旧暦10月22日）より晴天10日間興行

この年、江戸相撲は2月場所が文政の大火によって中断されましたが、大坂相撲、京都相撲はそれぞれ予定通りに興行が行われました。各地の力士たちは、それぞれの場所で熱戦を繰り広げ、観客を魅了しました。特に大坂相撲では、7月と9月の2回興行が行われ、その人気ぶりをうかがい知ることができます。

1829年は、相撲界にとって試練の年でありましたが、同時に各場所での興行を通じて、人々に活気と希望を与えた年でもありました。この年の出来事は、相撲史においても重要な記録として残されています。相撲の歴史を振り返る上で、1829年は決して忘れてはならない一年と言えるでしょう。

参考文献
* 酒井忠正『日本相撲史 上巻』ベースボール・マガジン社、1956年6月1日。

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