1870年の相撲

1870年（明治3年）は、相撲界にとって変革の年でした。この年、相撲界にはいくつかの重要な出来事がありました。

戊辰戦争の貢献と京都相撲の発展

1870年1月28日（旧暦明治2年12月27日）、戊辰戦争における京都相撲の貢献が認められ、太政官から八坂神社境内の御料地889坪が興行地として下賜されました。これは、相撲が単なる娯楽ではなく、社会的な役割を担っていたことを示す出来事です。この土地は、後の京都相撲の発展に大きく貢献することになります。

1870年の興行

1870年には、各地で相撲興行が盛んに行われました。

3月場所（京都大阪合同相撲）
場所: 北林拝領地（杮落とし興行）
日程: 4月3日（旧3月3日）より10日間

この場所は、八坂神社境内地に下賜された土地で行われた初の興行であり、京都と大阪の相撲が合同で開催されるという画期的なものでした。
3月場所（京都大阪合同相撲）
場所: 難波新地相撲場
日程: 晴天10日間

難波新地相撲場でも、京都と大阪の合同相撲が開催されました。10日間、晴天に恵まれ盛況であったことがうかがえます。
4月場所（東京相撲）
場所: 本所回向院
日程: 晴天10日間

東京では、本所回向院で東京相撲の興行が行われました。こちらも10日間、晴天続きで多くの観客を動員したと考えられます。
9月場所（京都大阪合同相撲）
場所: 北林拝領地
日程: 10日間

9月には、再び北林拝領地で京都と大阪の合同相撲が開催され、10日間の興行が行われました。


これらの興行は、相撲が都市部を中心に、多くの人々に楽しまれていたことを示しています。特に、京都と大阪の合同相撲は、両地域の相撲文化の交流を促進し、相撲の発展に寄与したと考えられます。また、東京での興行も盛況であったことから、相撲が全国的に広がりつつあった様子がうかがえます。

まとめ

1870年は、相撲界にとって重要な転換期であり、戊辰戦争の貢献による京都相撲の発展、各地での相撲興行の活発化は、相撲が社会に深く根付いていく過程を示すものでした。この年の出来事は、今日の相撲の隆盛を語る上で欠かせない歴史の一部と言えるでしょう。

出典

* 酒井忠正『日本相撲史 中巻』ベースボール・マガジン社、1964年6月1日。

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