1880年アメリカ合衆国大統領選挙

1880年アメリカ合衆国大統領選挙の概要

1880年11月2日に行われたアメリカ合衆国の大統領選挙は、第24回目の選挙であり、共和党と民主党の候補者による競争が繰り広げられました。この選挙は主に共和党の南部におけるレコンストラクション政策の緩和への国民の反応として位置づけられています。当時の政治情勢は比較的安定しており、大きな政争は見られませんでしたが、関税に関する対立が目立ちました。共和党は高関税政策を支持し、民主党はその逆の低関税を支持していました。

候補者の指名

共和党

現職のラザフォード・ヘイズ大統領は再選を目指さず、新たに候補者として選ばれたのはオハイオ州出身のジェームズ・ガーフィールドでした。共和党の全国大会では、グラント元大統領やジェイムズ・G・ブレイン、ジョン・シャーマンといった強力な候補者たちが争いましたが、36回目の投票まで続く混戦の末、ガーフィールドが429票中399票を獲得し、ついに候補者に選ばれました。副大統領候補にはチェスター・アーサーが選ばれました。

民主党

一方、民主党の選挙も熾烈なものでした。シンシナティで開催された全国大会では、多くの候補者が出現し、最終的にウィンフィールド・スコット・ハンコックが705票を獲得して指名されました。副大統領候補にはウィリアム・ヘイデン・イングリッシュが選ばれました。南北戦争の少将であったハンコックの指名は、民主党の側では特に注目を集めました。

選挙運動

選挙運動では、民主党が1876年の選挙における混乱を攻撃材料にした一方で、共和党は南北戦争の功績を強調しました。ガーフィールドは、自己の努力や成長をアピールし、それに対し共和党はハンコックを攻撃することなく、腐敗した民主党のリーダーとしてのイメージを主張しました。両者の間での人格攻撃は次第に強まり、特にガーフィールドとアーサーに批判が集中しました。経済状況が改善の兆しを見せ、選挙運動も順調に進んだガーフィールドに対し、民主党は懸命に逆襲を試みました。

選挙結果

選挙の結果、ガーフィールドは一般投票でわずか2000票差でハンコックを上回りましたが、選挙人票では369票中214票を獲得し、大勝を収めました。この選挙は、国民が南部のレコンストラクション政策に対しどのようなスタンスを取っているかを浮き彫りにするものとなりました。加えて、選挙過程での異なる意見が様々な政党間での議論を生むなど、政治情勢への影響も見逃せません。

選挙後のガーフィールド政権は、国内外で多くの課題に直面しながらスタートし、その後のアメリカの政治の流れに大きな影響を与えることとなりました。

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