1900年パリオリンピックのラグビー競技

黎明期のオリンピックラグビー

1900年、パリ万国博覧会に合わせて開催された第2回近代オリンピックでは、ラグビーユニオンが初めて正式競技として採用されました。この歴史的な大会のラグビー競技は、10月14日と28日の二日間にわたり、フランスの首都パリで行われました。開催国フランスに加え、ドイツ、そしてイギリスの計3ヶ国から47名の選手が出場。メダルを争う試合は、わずか2試合のみというユニークな形式が採用されました。

参加チーム

今大会に参加したのは、開催国のフランス、ドイツ、そしてイギリスです。ドイツ代表チームは主に国内クラブのFC 1880 Frankfurtの選手たちで構成されました。イギリス代表チームは、Moseley Wanderersのメンバーが中心となっていました。フランス代表は、これらのチームとそれぞれ対戦しました。

第1試合：フランス対ドイツ

10月14日に行われた最初の試合は、フランスとドイツの間で争われました。当時のオリンピックラグビーでは、独自の得点ルールが適用されていました。

試合は前半、ドイツが主導権を握ります。トライに加え、コンバージョンやドロップゴールを成功させてリードを奪いました。フランスもトライとコンバージョンで応戦しましたが、前半終了時点ではドイツが14対5と先行しました。

しかし、後半に入ると状況は一変。フランスは猛攻を開始し、エミール・サラードやアンドレ・ルーズベルトらが次々とトライを奪いました。合計6つのトライとコンバージョンを追加し、後半だけで22点を挙げました。ドイツもトライを返しましたが、フランスの勢いを止めることはできず、最終的にフランスが27対17で逆転勝利を収めました。

第2試合：フランス対イギリス

10月28日に行われた第2試合は、フランスとイギリスの対戦となりました。この試合は1万人もの観客が見守る中で開催されました。ロイター通信は、イギリス選手団が試合当日の朝にパリに到着しており、その疲労がパフォーマンスに影響した可能性を報じています。

試合は前半からフランスが圧倒します。エミール・サラードがこの大会通算5トライとなる2つのトライを挙げるなど、攻撃陣が爆発。他にも複数の選手がトライを決め、ペナルティゴールも成功させました。フランスは前半を21対0と大きくリードして終えました。

後半に入ると、イギリスは意地を見せ、トライとコンバージョン、ペナルティゴールを成功させて得点を重ねました。フランスもトライを追加し、イギリスの反撃を退けました。最終スコアは27対8でフランスが勝利しました。

大会結果とメダル

出場した2試合に勝利した開催国フランスが、初のオリンピックラグビー競技で金メダルを獲得しました。フランスに敗れたドイツとイギリスには、それぞれ銀メダルが授与されました。当時の大会形式では3位決定戦が行われなかったため、銅メダルは授与されませんでした。

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